今回の当コラムでは29日に愛知県の豊田スタジアムで行われるFIFAワールドカップブラジル大会アジア3次予選対ウズベキスタン戦の展望を述べていきたいと思う。

まずは、ウズベキスタン戦のメンバーに触れておきたい。

GK

川島永嗣(リールセ)
山本海人(清水エスパルス)
西川周作(サンフレッチェ広島)

DF

駒野友一(ジュビロ磐田)
今野泰幸(ガンバ大阪)
栗原勇蔵(横浜F・マリノス)
伊野波雅彦(ヴィッセル神戸)
長友佑都(インテル)
槙野智章(浦和レッズ)
内田篤人(シャルケ)
吉田麻也(VVVフェンロ)

MF

遠藤保仁(ガンバ大阪)
中村憲剛(川崎フロンターレ)
長谷部誠(ヴォルフスブルク)
増田誓志(鹿島アントラーズ)
細貝萌(アウクスブルク)
柏木陽介(浦和レッズ)

FW

藤本淳吾(名古屋グランパス)
李忠成(サウサンプトン)
岡崎慎司(シュトゥットガルト)
ハーフナー・マイク(フィテッセ)
乾貴士(ボーフム)
宮市亮(ボルトン)※初招集
香川真司(ドルトムント)※追加招集

24日に行われたアイスランド戦では、国内組主体のメンバーで臨み、3-1の快勝を収めた日本代表。アイスランド戦でプレーした面々がどの程度今回のメンバーに選ばれるか注目が集まったが、代表に定着していない選手の中で招集されたのはアイスランド戦で90分間プレーした増田のみとなった。

また、左足首じん帯を痛めていた香川は26日に行われたハノーファー戦でスタメン出場し、後半42分までプレー。原博実強化担当技術委員長がハノーファー戦でベンチ入りした場合は招集すると明言していた通り、追加招集される運びとなった。

・増田は代表に定着できるのか

鹿島サポである筆者にとって、最大の関心事といっても過言ではないのが「増田がこのまま代表に定着できるのか」という事である。フル出場を果たしたアイスランド戦は、増田にとってA代表のデビュー戦となった訳だが、やはり鹿島で見せているようなプレーを100パーセント披露できているとは言い難いものがあった。中盤の底でコンビを組んだ遠藤とのバランスを意識してプレーしていたが、その結果大胆なサイドチェンジや、ダイナミックな飛び出しといったプレーは影を潜めてしまった感がある。増田がこの先A代表に定着するためには、持ち前の展開力を活かした積極的なプレーを出していく必要があるだろう。

とはいえ、

「誓志とは初めてこういう試合で組みましたけど、特に大きな問題はなかったと思いますし、誓志は運動量豊富で、攻守両面でファイトできる選手なんで、やりやすかったです。あとは積極的にシュートを狙ったり、そういうことができていけばいいんじゃないですか」(遠藤)

「「増田はよく走ってくれた。プレーのクオリティーが高く、ピッチ全体をカバーできる選手だと改めて感じた。遠藤とともにチームのバランスを取ってくれた。特に守備のところで献身的に動いてくれたし、遠藤とのパス交換も良かった」(ザッケローニ)

とチームメイトや監督からの高評価を得ている点は事実。

本人は「フルだろうがなかろうが、自分の中では評価していない。積極性を出さないと」と反省していたが、ウズベキスタン戦のメンバーに選ばれたということは、ザッケローニ監督の「宿題」をクリアできたという見方もできる。アイスランド戦の前には「判断のスピード、前への意識は確実にみんなより遅れていると思う」と語っていたが、彼のレベルアップは、日本代表だけでなく、鹿島アントラーズにとっても間違いなくプラスとなる。今後の増田の成長ぶりを心待ちにしたい。

・注目が集まる攻撃陣

また、今回のメンバー招集で注目が集まるのは攻撃陣だろう。A代表に初めて選出された宮市は今冬にアーセナルから移籍したボルトンで早速ゴールを挙げるなど好調をアピールしている。宮市のような快速ウインガーはこれまでにはいなかったタイプの選手であり、チームにフィットすれば大きな武器となるだろう。香川が追加招集され、ベンチ外となる選手が1人出てしまったということで、もしかすると宮市がスタンドから試合を観戦する可能性も浮上してしまったが、個人的にはこの試合での宮市の代表デビューを望んでいる。是非観る者にインパクトを与える鮮烈なデビューを飾って欲しいところだ

その他のメンバーにも、所属するシュトゥットガルトで3試合連続でゴールをマークしている岡崎、ボーフムで確かな存在感を示している乾、驚異的な回復力を見せ、ウズベキスタン戦に間に合わせた香川、アイスランド戦で2点目をゲットした藤本、今冬に欧州へと飛び立った李忠成、ハーフナー・マイクと楽しみなタレントが目白押しである。ザッケローニ監督が前線をどのような組み合わせにしてくるのか要注目だ。

・単なる消化試合ではない

今回のウズベキスタン戦はすでに最終予選進出を決めている日本代表にとって重要な一戦になる。それはこの試合が6月から始まる最終予選前の最後の試合となるからだ。当然、この試合ではこれまで培ってきた土台の再確認に加えて、チームが少しでもレベルアップするようなプレーが求められるだろう。去年の9月6日にタシケントで行われた前回のウズベキスタン戦では岡崎のゴールで辛くも引き分けた日本代表。今回のホームでの一戦では勝利という結果だけでなく、内容面でも充実したモノを得られることを期待したい。

2012.2.27 ロッシ

※選手表記、チーム表記はQoly.jpのデータベースに準拠しています。


筆者名 ロッシ
プロフィール 鹿島アントラーズ、水戸ホーリーホック、ビジャレアルを応援している大学生。今シーズンはプレミアリーグを中心に観ていく予定です。当コラムに関する、感想、意見等がありましたら、下記のツイッターアカウントにどしどしお寄せ下さい。
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