無敗記録は奇跡の再現か
EURO2004優勝から8年の月日が流れた、2001年より約10年間代表監督を務めたオットー・レーハーゲル(ドイツ)が2010年W杯をもってチームを去り、新監督に就任したフェルナンド・サントス(ポルトガル)のもと大きく変貌した。
練習こそが自分の個性というサントスはテクニックより戦術重視といった選考基準を明確にし多くの選手に代表の門戸を開いた。彼の下で招集された選手は約60人、初招集は15人以上にも上った。レーハーゲルが20数名の固定したメンバーで常に戦っていたのとは実に対照的なやり方である。
だが、その変化を選手たちは好意的に受け止めている様だ。ストライカーのファニス・ゲカスが「レーハーゲルの時代は終わった。サントス監督はまた別の戦術をチームにもたらした」と語っている。事実、サントス監督率いる代表チームはEURO予選で7勝3分と完璧な成績でグループFを首位通過を果たしたばかりか17戦負けなしの同国代表無敗記録を樹立。レーハーゲルがEURO2004を制したときも同年4月のオランダ戦に負けるまで15試合負けなかったことを考えると・・・EURO2004の奇跡を再び期待する声があるのもうなづける。
らしくない守備のほころびが課題
そんなギリシャ代表のEURO2012メンバーはサントスらしい人選となった。兼ねてから彼の中では評価の低かったサイドバックのヴィントラをはじめハリステアス、ジオリスといった歴戦の勇者を本大会メンバーから外し、気がついたら若手を中心にカツラニス、カラグニスのEURO2004組が中盤を締めるというものだ。
だが、当然ボトルネックも存在する。かつて堅守を誇った守備陣を若手に切り替えたことでミスやスピード不足から後手に回ることが多くほころびがでていることだ。実際、EURO予選後の親善試合は3分1敗と無失点で抑えた試合はなし。攻撃陣は以前と違いカウンターだけに限らず能動的に崩すシーンも見られる様になったものの「1、2得点をとるのがやっと」という状況は変わっていない。それだけにDFラインの修正がギリシャ浮沈の鍵を握るといっても過言はないだろう。
かつて2004年大会決勝でギリシャに負けて涙を流したクリスティアーノ・ロナウドは語る「今回は新興国の躍進はない」と。この言葉をフラグに7月1日の決勝戦へむけてギリシャが再びまい進することはできるのだろうか。
20日、フェルナンド・サントス監督はEURO2012メンバー候補25名を発表した。11日に発表された国外クラブに所属するEURO2012へ向けたギリシャ代表候補メンバー12名からは、ヒオティス、モラス、ペツォスの3名が外された。29日、EURO2012本大会メンバーを発表、20日に発表された25名の代表候補からパナギオティス・コネ(ボローニャ)、アレクサンドロス・ジオリス(モナコ)の2名を除く23名となった。
# | 名前 | 所属クラブ | 生年月日 | 身長/体重 |
---|---|---|---|---|
GK | ||||
1 | コスタス・ハルキアス (Kostas Chalkias) |
PAOK |
1974/5/30 | 199/88 |
12 | アレクサンドロス・ゾルヴァス (Alexandros Tzorvas) |
パレルモ (ITA) |
1982/8/12 | 190/79 |
13 | ミハリス・シファキス (Michalis Sifakis) |
アリス |
1984/9/9 | 186/80 |
DF | ||||
2 | ギアニス・マニアティス (Giannis Maniatis) |
オリンピアコス |
1986/10/12 | 178/77 |
3 | ゲオルギオス・ザヴェラス (Georgios Tzavelas) |
モナコ (FRA) |
1987/11/26 | 183/81 |
4 | ステリオス・マレザス (Stelios Malezas) |
PAOK |
1985/3/11 | 192/81 |
5 | クリアコス・パパドプロス (Kyriakos Papadopoulos) |
シャルケ04 (GER) |
1992/7/23 | 183/85 |
8 | アヴラーム・パパドプロス (Avraam Papadopoulos) |
オリンピアコス |
1984/12/3 | 186/79 |
15 | ヴァシリス・トロシディス (Vasilios Torosidis) |
オリンピアコス |
1985/6/10 | 185/80 |
19 | ソクラティス・パパスタソプロス (Sokratis Papastathopoulos) |
ヴェルダー・ブレーメン (GER) |
1988/6/9 | 183/82 |
20 | ホセ・ホレバス (Jose Holebas) |
オリンピアコス |
1984/6/27 | 184/77 |
MF | ||||
6 | グリゴリオス・マコス (Grigorios Makos) |
AEKアテネ |
1987/1/18 | 173/72 |
10 | ギオルゴス・カラグニス (Giorgos Karagounis) |
パナシナイコス |
1977/3/6 | 176/74 |
16 | ギオルゴス・フォタキス (Giorgios Fotakis) |
PAOK |
1987/1/18 | 177/73 |
18 | ソティリス・ニニス (Sotirios Ninis) |
パナシナイコス |
1990/4/3 | 173/69 |
21 | コスタス・カツラニス (Kostas Katsouranis) |
パナシナイコス |
1979/6/21 | 183/81 |
22 | コスタス・フォルトゥニス (Kostas Fortounis) |
カイザースラウテルン (GER) |
1992/10/16 | 183/69 |
23 | ギアニス・フェトファジディス (Giannis Fetfatzidis) |
オリンピアコス |
1990/12/21 | 165/64 |
FW | ||||
7 | ゲオルギオス・サマラス (Georgios Samaras) |
セルティック (SCO) |
1985/2/21 | 193/86 |
9 | ニコス・リベロプロス (Nikos Liberopoulos) |
AEKアテネ |
1975/8/4 | 186/81 |
11 | コスタス・ミトログル (Kostas Mitroglou) |
オリンピアコス |
1988/3/12 | 188/86 |
14 | ディミトリス・サルピンギディス (Dimitris Salpingidis) |
PAOK |
1981/8/18 | 172/74 |
17 | セオファニス・ゲカス (Theofanis Gekas) |
サムスンスポル (TUR) |
1980/5/23 | 179/76 |
フォーメーション
(筆:Qoly編集部 Q)