Iraq
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1
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0-1
1-0 ex. 0-1
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2
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U.A.E.
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ユニス・マフムード |
81' |
得点者
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28' 107' |
オマール・アブドゥラフマン イスマイル・アル・ハンマディ |
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ついに2013年度ガルフカップは決勝戦を迎えた。頂点を決める一戦はUAEが延長戦の末にイラクを下し、自国開催だった2007年以来2度目、他国開催の大会では初の優勝を飾った。
試合はここまで勝ち残ったチーム同士の対戦のとあって、互いの駆け引きが色濃く出る内容となった。
序盤に仕掛けたのはイラク。長いボールで一気に押し上げ、激しいプレスでボールを奪いペースを握るいつもの戦法で、キックオフからしばらくは勢いを見せた。
しかしそこでUAEは落ち着いていた。ロングボールを入れ返し、アル・ハジリとハリルのスピードによってイラクの守備を脅かした。これによってマイボール時にイラクのラインがすぐ下がるようになり、中盤にスペースが生まれ、よって司令塔のオマールがボールを収められる場面が増加。
そして、これが先制点に結びついた。28分、ロングボールに対して右サイドに開いたアル・ハジリが競って落とし、フリーで前を向いたオマールがドリブル。守備に囲まれながらも中央に切れ込み、ディフェンダーをかわしてシュート。これがブロックされてコースが変わり、ゴール右隅に決まった。
だが、このあとはイラクの反撃が力を発揮する。点を取るとすぐ引く癖がある彼らであるが、逆に点を取られた後の反骨心は魅力がある。素早くゴール前に人数が入り、サイドを開けてチャンスを作り、前線からプレスをかけて押し込む。53分にはアル・クライシを投入して3バックに変更し、さらに攻撃に人数をかけた。
それにUAEは対応し損ねた。62分にアル・ハジリに変えてアル・ハンマディを投入して、オマールを中央に入れて4-2-3-1にチェンジ。しかしこれが失敗で、両ウイングが下がりすぎてイラクのサイドに勢いを与えた。特にアル・ハンマディが入った右サイドでは、サラム・シャケルとアル・クライシに簡単にボールを収められ、押し下げられていった。
さらにハリルをベンチに下げてイスマイル・マタルを投入するも、逆にロングボールで怖いハリル&アル・ハジリがいなくなったことによりイラクの守備が楽になってしまい、ラインがさらに上がってきた。
悪いサイクルに入ったUAEは結局持ちこたえることが出来ず、81分にロングスローからマフムードにゴールを許し、終盤で同点に追いつかれる結果となった。
だが、迎えた延長戦でUAEは再びペースを掴む。その理由は、イラクがさらに攻撃の枚数を増やそうと4バックに戻し、それに対応してマタルとアル・カティリの2トップ、右にオマール、左にアル・ハンマディという4-4-2に戻したこと。
外に戻ったオマールにはよりボールが収まるようになり、前線が活性化。そして107分には、守備で効かないばかりかドリブルで無駄なキープを繰り返し、完全にチームのブレーキとなっていたアル・ハンマディが結果を残す。右サイドに飛び出してボールを受けたマタルがバイタルエリアに折り返し、アメル・アブドゥラフマンがスルーパス。これにアル・ハンマディが飛び出し、値千金の決勝ゴールを決めたのである。
彼を入れた選択はマフディ・アリ監督の大きな過ちであったが、それを我慢したことで最後に勝因となるのだから、サッカーは分からないものである。
(筆:Qoly編集部 K)