Ghana
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2
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1-0
1-2 |
2
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Congo DR
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バドゥ アサモア |
40' 49' |
得点者
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53' 69' |
エンプテュ エンボカニ(PK) |
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優勝候補の一角ガーナは、2点を先行しつつもその後コンゴ民主共和国に追いつかれ、ドローでのスタートとなった。
試合内容としてはコンゴ民主共和国の良さがより感じられるものだった。彼らは運や勢いだけで引き分けに持ち込んだわけではない。むしろ勝利できる可能性もかなりあったと思われる。
守りに人数をかけながらも攻撃で一発狙いにならず、後方からボールを繋ぎ、ラインを上げる時間を作る。前線ではエンボカニという強烈なストライカーがサイドのスペースを伺いつつ、それを囮に両ウイングとエンプテュが動いてパスを引き出し、仕掛ける。特にこの試合では、サイドの深い位置にドリブルで運んで相手最終ラインの目線を引きつけてフリーの選手を作り、マイナス方向の折り返しでチャンスを生み出すという狙いが機能した。
13分にはエンプテュの飛び出しからの折り返しをルアルアがシュートに持ち込みクロスバー直撃。その直後にもまたエンボカニがサイドの裏に飛び出して折り返し、同じようにマイナスのパスをエンプテュが合わせる決定的な場面を作った。
しかしコンゴは優勢を保っていた前半に失点を喫してしまう。左サイドのスローインからワカソ・ムバラクがドリブルでカットインしワンツー、裏に飛び出して折り返し。中に飛び込んでいたバドゥに合わせられ、守備が破られた。30分にはギャンの決定的なシュートが外れて助かったが、2度目のピンチを防ぐことが出来なかった。
さらに後半開始からまもなく、2失点目を喫する。右からのワカソ・ムバラクのコーナーキックを、ファーサイドに飛び込んできたアサモアに合わせられ、さらにビハインドが広がったのである。
だが、この試合良いサッカーをしていたコンゴは、全く諦める素振りを見せなかった。その結果53分にマキアビのスルーパスから裏に抜け出したエンプテュが1点を返し、さらに反撃ムードを高めた。
そして67分、右サイドで縦に早い攻撃を敢行し、カバングが早いタイミングで縦パスを送る。流れてきたエンボカニが飛び出しつつ受け、ディフェンスに引っ張られて倒されPKを獲得。これをきっちりと決め、同点に追いつくことに成功した。
今回優勝候補の呼び声が高いガーナであるが、これまでの大会と比べてもプレーの内容は芳しくない。攻撃に関してはギャンへのいつものロングボール一発、2列目のドリブル突破という確固たるものがあるが、それを生かすための守備力が明らかに足りない。
ラインが無意味に崩れる場面は多く、何度も危うい場面があった。最終ラインと中盤の間に入ってくる選手を抑える連携に欠け、ゾーンに人がいるだけになってしまうことも目立った。後半開始時にコンゴのパス回しを止めようと激しくプレスをかけたが、2点目を取った途端に緩くなり、最後まで戻らなかった。
元々得点を量産できるチームではなく、守ってギャンの一発で決めて接戦をものにして勝ってきたのがガーナである。その点で言えば、今大会のチームに関しては無失点で抑えられる力があるかどうか、かなり不安定な要素は大きい。
(筆:Qoly編集部 K)