AFP通信は「反差別活動を行っているピアラ・パワー氏が、パオロ・ディ・カーニオ氏のサンダーランド監督就任に警告を発した」と報じた。

先日サンダーランドの新監督に就任したパオロ・ディ・カーニオ氏は、かつてラツィオに所属していた時にローマ式敬礼(ナチス式敬礼に似ていると言われる)を行ったことで知られており、「自分はファシストである。人種差別主義者ではない」と発言したこともある。選手時代にはその政治的な志向でも話題となった。

ピアラ・パワー氏は欧州サッカー界の反差別団体であるFARE(Football Against Racism in European football)のエグゼクティブディレクターを務めている人物。彼はディ・カーニオ氏の志向に懸念を表明し、危険な影響を及ぼす可能性を指摘した。

「不寛容な志向が浮上している。世界一グローバルなリーグにおいて、ファシスト党の見解を放棄していない人間が監督を務めるということに、私は憂慮している。

それはヒットラーと右翼たちによって広められたもの。彼が過去にファシストを自称したことを指摘せず黙っていることは、我々にとって偽善でしかない。

それらのジェスチャーをしたり、黒人プレーヤーに向けてモンキーチャントを行ったりしたファンは取り上げられるのに、トップレベルの監督が問題にならないとしたら、それはまさに偽善的だ。

ディ・カーニオは、プレーヤーとしてそれをやった男だ。

今、ヨーロッパの中で極右的思想が広まっており、不寛容、憎悪の感情が膨らんでいると我々は考えている。ファシストであるというのは、彼が政治的に柔軟ではないということを意味する。

我々は2011年とは違う政治状況で暮らしている。サッカー界の中に、差別の問題が完全に入り込んでしまった。自分をファシストと呼ぶ指導者がトップレベルのクラブを率いるという事実に焦点が当たるのは当然だ」

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