今回も前回に引き続き、今シーズンの”メインキャスト”をベストイレブンという形で表彰していきたい。
上図は筆者が選んだベストイレブン(今回は前線の選手のみ)である。早速、当該選手の選考理由と次点の選手を紹介していこう。
<トップ下(セカンドトップ)部門>
最優秀:ミチュ(スウォンジー)
選考理由:昨シーズン、リーガ・エスパニョールのラージョ・バジェカーノで15ゴールをマークし、一躍注目を浴びた遅咲き。プレミアリーグ初参戦となった今シーズンは、ポゼッション主体のチームに素早くフィットし、攻撃の柱として活躍した。本職はトップ下あるいはセカンドトップだが、得点力を買われセンターフォワードとしても起用された。リーグ戦18ゴールは得点ランキング5位。
次点:マルアヌ・フェライニ(エヴァートン)
選考理由:長年に渡ってチームアタックを支えてきたティム・ケーヒルの穴を見事に埋めたのがこのベルギー代表。昨シーズンはセントラルMFが主戦場だったが、主にトップ下の位置で起用された今シーズンは、リーグ戦で11ゴールを挙げるなど、攻撃意識が格段に向上。マンチェスター・ユナイテッドやアーセナルといったビッグクラブからの関心が伝えられており、今後の動向に注目が集まっている。
次点:ウェイン・ルーニー(マンチェスター・ユナイテッド)
選考理由:リーグ戦12ゴールという結果は、この希代のストライカーの能力からすれば物足りないかもしれない。だが、トップ下の他にサイドハーフやセントラルMFとしても起用され、どのポジションでも存在感を放った。新加入のロビン・ファン・ペルシー、香川真司と好連携を築き、彼らの良さを際立たせるなど、「黒子」に徹した今シーズン。移籍騒動の渦中にあるが、来シーズンは何色のユニフォームを身に纏うのか。
<センターフォワード部門>
最優秀:ロビン・ファン・ペルシー(マンチェスター・ユナイテッド)
選考理由:昨シーズンはアーセナルで30ゴールをマークし、得点王を獲得。国内のライバルへと移籍した今シーズンも26ゴールをゲットし、2シーズン連続の得点王に輝いた。ゴール前での冷静さと勝負強さは群を抜いており、ユナイテッドの独走優勝に多大なる貢献を果たした。優勝を決めたアストン・ヴィラ戦でのハットトリックは後世に語り継がれるだろう。クラブからは背番号9への変更を打診されたが、これを固辞し、来シーズンも「20」を背負う。
次点:ルイス・スアレス(リヴァプール)
選考理由:チェルシー戦でブラニスラフ・イヴァノヴィッチの腕に噛みついた一件は確かに物議を醸した。だが、チームアタックの大部分を担っていたのは間違いなくこのウルグアイ代表であり、前述の一件による出場停止さえなければ、得点王も十分狙えただろう(結果的には23ゴールで2位)。レッズの一員として失地回復を図るのか、それとも他のビッグクラブに移籍するのか。コンフェデレーションズカップでの活躍と併せて注目すべきポイントだ。
次点:クリスティアン・ベンテケ(アストン・ヴィラ)
選考理由:今シーズンの「発見」となったのがこのベルギー代表。恵まれた体格をフルに生かしたプレーは激しいプレミアリーグにマッチし、所属チームの残留を大きくアシストした。リーグ戦で19ゴールを挙げたストライカーには各国の強豪クラブから熱い視線が注がれているが、本人もステップアップに前向きということで、今後の争奪戦はますます白熱しそうだ。
3回に渡ってお送りしてきた「プレミアリーグ、2012/13シーズンの”メインキャスト”」も今回で最終回を迎えたが、いかがだっただろうか。今シーズンは、このシリーズで取り上げたリオ・ファーディナンド、スティーブン・ジェラード、フランク・ランパードといったベテランたちが「いぶし銀」の活躍を披露し、ベンテケ、ルーク・ショー(サウサンプトン)、ラヒーム・スターリング(リヴァプール)といった新鋭たちが台頭するなど、様々な選手が輝きを見せてくれた。来シーズンは、デビット・モイーズ(マンチェスター・ユナイテッド)、ジョゼ・モウリーニョ(チェルシー)、マヌエル・ペジェグリーニ(マンチェスター・シティと合意、正式発表は週明けとも)、ロベルト・マルティネス(エヴァートン)ら新監督の挑戦に注目が集まるが、サッカーファンを驚かせるような新鋭の活躍、ベテランの奮闘、そして中堅の更なるレベルアップの瞬間を追いかけることができればと思う。
2013/6/10 ロッシ
筆者名:ロッシ
プロフィール:エル・シャーラウィ、ネイマール、柴崎岳と同世代の大学生。鹿島アントラーズ、水戸ホーリーホック、ビジャレアルを応援しています。野球は大のG党。
ツイッター:@antelerossi21