サッカーにおいて日本人の有用性はどこで発揮されるのか?
日本代表のコンフェデレーションズカップに向けてのメンバーには4人ものSBの選手が選ばれている。そして注目すべきはMF登録の長谷部と細貝もクラブではSBとして出場する機会が多かったということだ。またこの6人ともが海外でプレーしているという事実も忘れてはならない。 まだ読者の皆さんにこの記事でどのようなことを示したいか伝わっていないだろう。
要するに、日本人が最も世界で輝くポジションはSBであるということである。言い換えればSBは日本人の特性に合っているということだ。それは次の特性から示される。 まず勤勉であること。SBというポジション上オーバーラップしても味方に使われず、無駄走りになることはままある。しかしそれでも同じことを高いクオリティで繰り返せるのは日本人ならではと考える。特に長友は凄まじいスタミナから90分通して、そのクオリティを維持できることが世界で評価されている要因だろう。
次に基礎的な技術力の高さである。一つ例をとってみればパスすなわちキックの能力などである。SBはビルドアップの段階で起点になることが多く、そこでのパスミスやロングキックがあさっての方向に飛んでしまっているようでは優秀なSBとは言えない。その点において幼少時代からしっかり基礎的な技術を学ばされる日本人は優秀なSBになることが多いと言えるのだろう。もちろんその育成方法が型破りな若きスターの誕生を阻んでいるという可能性もあるが、現在長谷部がクラブでSBとして重宝されているのはこれが一つの要因となっているはずだ。言い方を変えると日本でボランチを任せられるほどのパス能力を持っていても海外に出るとSBというポジションに「追いやられて」しまうということなのかもしれない。
無論SBの華とも言えるクロスも日本人のキックの能力の高さを生かせる場所の一つである。
異論を唱えられるかもしれないが、あえて断言しよう。
日本はSBの「名産地」になる。
世界を見渡すと、CBの選手がSBとしてプレーしていたり、中盤のサイドアタッカーがSBとしてプレーしていたりということが少なくない。すなわち世界的にSBというポジションは人材難なのである。少なくとも1チームに6人ものSBがいるチームはまずない。
また現在長友や内田が世界で活躍しているのを見て育った子供の中にはSBとして自分も世界で活躍したいと思う子もきっといるだろう。その中には前述した日本人としての特性を兼ね備えつつ、さらにSBとしては異端とも言える能力を身につけたニュータイプのSBが現れるかもしれない。そのとき日本はまさにSBの名産地となり、強豪国の仲間入りをしているはずだ。
筆者名:平松 凌
プロフィール:トッテナム、アーセナル、ユヴェントス、バレンシア、名古屋グランパスなど、好みのチームは数あるが、愛するチームはバイエルン。
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