先月28日から8月3日にかけて静岡県で開催された、全日本少年サッカー大会。今年で37回目を迎えた伝統の大会は3日、沼津市の愛鷹広域公園多目的競技場で決勝戦が行われ、茨城県代表の鹿島アントラーズジュニアが愛知県代表の名古屋グランパスU12を2-0で下し、初優勝を遂げた。
大会期間中、会場内では様々なイベントが行われたが、その一つが大会協力とともにオフィシャルキズケアサポーターを務める、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社による「福西崇史さんと学ぶ 正しいキズケア講座」。
筆者も日ごろからサッカーによる生傷が絶えないため、ぜひにと参加してきた。
ジョンソン・エンド・ジョンソンと言うと馴染みが薄いかもしれないが、絆創膏の代名詞といっても過言ではない「バンドエイド」で有名な企業。“サッカー小僧”ならずとも一度はお世話になったことがあるに違いない。
そして近年はさらに、新たなキズケアの方法を提唱している。それが「モイストヒーリング(湿潤療法)」だ。
サッカーをプレーしていればすり傷などを負うことは避けられないが、それを治す過程は、消毒してとにかく乾かす「ドライヒーリング」と呼ばれる治療法が一般的であった。
しかし、この方法の場合は、厚いかさぶたの下で新しい皮膚が作られるためキズを治す働きが弱く、治りが遅い上にキズあとが残りやすい。「バンドエイド」キズケアアンバサダーとして登場した福西氏も、スライディングをした際によくできる太腿のすり傷、通称“ビフテキ”について、「試合中に頭をよぎってしまうことがある」と語っていた。
これに対し、「モイストヒーリング」は専用の絆創膏で傷口を覆い、潤いを保つことで体液の働きを最大限に生かして、傷口を早く、綺麗に治すことができる。手順は以下の通りだ。
1.クリーン/傷口を洗う
流水で傷口についているゴミやバイ菌をしっかり洗い流す。ここが重要である。
2.トリート/観察・処置をする
綺麗なタオルやティッシュペーパーで水気を取る。出血時は傷口を押さえて止血。
3.プロテクト/潤いを保つ
モイストヒーリング専用の絆創膏を張り、傷口の潤いを保つ。
4.フォローアップ/経過を観察する
傷口がふさがるまで観察。2、3日に一度、絆創膏を貼りかえる。
注意しなければならないのは、怪我をしたら早めに処置をしなければいけないことと、有効なのがすり傷や切り傷に限られること。そして、ウミが出てしまったら駄目ということ(グジュグジュの色が白っぽかったり、臭いがある場合はウミ。すぐに病院へ)。
ただ、傷をすばやく、綺麗に治すことができ、その上手間も少ない「モイストヒーリング」は、サッカープレイヤーにとって非常に魅力的な治療法。安心してプレーに打ち込めることから、福西氏も「もっと早くモイストヒーリングを知っていれば良かった」と、新しい治療法に期待を寄せていた。
このモイストヒーリング療法を取り入れた「バンドエイド」Ⓡキズパワーパッドは、種類も豊富で、普段の生活でもできてしまうことのある靴ずれなど幅広い傷口に対応。以前から「湿潤療法」という言葉は知っていたが、具体的にどういった過程でキズが治るのかということが理解できたことで、実際に使ってみたくなった。
というか、この2日前にちょうどすり傷を作っていたのでさっそく貼ってみようと思ったのだが、スタッフの方に傷口を見てもらったところ、残念ながら時間が経ちすぎており駄目とのことであった・・・。負傷した場合、早く処置をすることがやはり大事なのである。
「バンドエイド」Ⓡキズパワーパッドの詳細はこちらから。
終了後、福西氏に少し話を聞く機会があったので、全日本少年サッカー大会にも因んだ質問を一つしてみた。
― 全日本少年サッカー大会と言えば、昔は芝でサッカーができる貴重な機会でした。最近はジュニアでも芝でプレーをする環境が整いつつありますが、一方でU-19アジア選手権などを見ていると、恒常的に良い環境でプレーすることの弊害というかデメリットも若干感じるときがあります。土でプレーすることのメリットというのもあるんでしょうか?
「サッカーをプレーする環境が整ってきたのは素晴らしいことだと思いますし、芝でも土でもそれぞれにメリット・デメリットがあります。土であればボールがよく弾んだりイレギュラーしたりするので、それに対応しなくてはなりません。大事なのは、様々な環境でプレーすることだと思います。アジアでの試合などはピッチ状態が良くないこともありますが、そういったコンディションでも力を発揮できる、技術と戦術の対応力が世界では必要です」
前日に行われた「松木安太郎さんと学ぶ アクエリアス水分補給セミナー」は指導者の方が多かったとのことだが、この日は内容的にやはり、お母さん中心。プラスして、福西氏の効果も?(入室時には黄色い歓声が)
ボードには、メッセージ入りのキズパワーパッドがずらり(印刷されたもの)。
一つ一つにお子さんへの手書きのメッセージが。これを入れたお守り(下)を日本サッカー協会のエンブレムに使われている「八咫烏」で有名な熊野神社でお清めしてもらい、子どもたちの勝利と安全を願うという取り組みも行っていた。
2011年から8人制へと変更された、全日本少年サッカー大会。試合の模様はJFA-TVの「全日本少年サッカー大会チャンネル」において動画で見ることができるほか、準決勝と決勝は今週末、10日と11日にCSの日テレG+でも放送される。