各国の招集人数を集計した結果スペイン代表は53人、ドイツ代表は57人、イタリア代表は78人の選手が招集されていることがわかった。

スペイン、ドイツともに南アフリカW杯以前から代表監督に交代はなく、国際経験豊富なベテランが要所を支えながらも代表の中核を若手選手が担っている理想的なチームであることから、大幅な改革よりも熟成路線の中で新たな戦力を随時試していくことが求められていた。そのためチームの骨格から疑問視されている日本代表 とは対照的に招集人数が少なかったことは頷けるが、他方それだけ日本は多くの選手を試していたと考えることができるだろう。

またイタリア代表と招集人数がほぼ一致したことも見落とせない。イタリアはW杯以降代表を退いていったカンナヴァーロ、カモラネージ、ガットゥーゾ、ヤクインタといった歴戦の勇士達に代わる戦力の発掘が求められていた。現在では若手とベテランの一往のバランスを見たチームを作り上げるに至ったが、これまでに多くの選手を招集し最適解を見出す努力が行われたことは想像に難くない。

イタリアは前回大会のファイナリストとして乗り込んだ南アフリカの地でグループステージ2分1敗とまさかの惨敗を喫した。この結果を受けプランデッリ新監督のもとアッズーリ(イタリア代表の愛称)大改造が行われたが、この改造で呼ばれた人数と日本の招集人数がほぼ同数。これ即ち日本代表も大改造とも呼べる程の戦力発掘が行われていた証拠だと考えることはできないだろうか。

ではもし仮に日本代表も大改造的戦力発掘が行われていたとした場合、なぜこれまで“新戦力を呼べ!"と叫ばれ続けているのだろう。

その答えはおそらくとても単純なもの。Jリーグで好調な選手を招集しないため。そして招集した新戦力を実戦で起用せず、従来通りの固定されたメンバーで戦うためだろう。結果を出しているコンディションの良い選手が呼ばれるのが通例であるとされるなか、あまりそれらの選手が呼ばれている印象はないだろう。また試合を通してしか日本代表の今を知ることのできない我々視聴者は、メンバーを固定されていては新戦力の発掘が行われているという感覚を得ることはとてもできない。