12月16日、ロイター通信は「ケニアで行われたCecafaチャレンジカップに参加していたエリトリア代表チームから、さらに選手と監督9名が失踪した」と報じた。

記事によれば、今回脱走を行ったのは選手8名、そしてチームを率いていた監督の計9名であるという。12月1日には既に2名が失踪したことが明らかになっており、今年も半数以上がエリトリア脱出を図ったことになる。

ロイター

ニコラ・ムソニャ CECAFA事務局長

「先週末にトーナメントが終了し、エリトリアが敗退した後、選手とコーチが失踪した。我々はこのエリトリアの選手が脱走する問題を解決するため、次の総会で議論を行うだろう。今後このような問題は起こしたくない。これは協会の病気だ」

エリトリアは1991年にエチオピアから独立したアフリカ北東部の国。1993年の暫定政府発足以来、大統領の下で独裁政権が敷かれ、現在でも憲法が施行されていないことで知られている。

政治犯への弾圧や拷問、処刑が続いていると言われ、数千人が海を渡って国からの脱出を試みていると報じられており、国境なき記者団による世界報道自由ランキングでは最下位となったこともある。

Cecafaカップには参加を続けているものの、毎回のように失踪者が発生する事態となっており、昨年は23名中17名もの選手がホテルから姿を消し、ウガンダへの亡命を希望した。

以前の記事でも書いたが、エリトリア政府は国外に遠征する者に対して10万ナクファ(およそ70万円)の保証金を設定して亡命者の続出に歯止めをかけようとしているものの、あまり効果は表れていないようだ。

Cecafaチャレンジカップは中央及び東アフリカ地域の王者を決める大会で、1年ごとに行われている。今年はナイロビ他4都市を会場として11月27日から12月12日まで開催され、地元ケニアがスーダンを破って通算6度目の優勝を飾っている。

また、グループリーグでエチオピアとケニアが勝ち点、得失点、総得点全てで並び、コイントスで順位が決められるという珍しい1幕もあった。

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