9日、UEFAチャンピオンズリーグの準々決勝2ndレグが行われ、バイエルン・ミュンヘンとアトレティコ・マドリーがそれぞれマンチェスター・ユナイテッドとバルセロナに勝利。これにより、今季のビッグイヤー争いは前日に勝ち抜けたレアル・マドリー、チェルシーを含む4チームに絞られた。
各国のビッグクラブが顔を揃えるなか、40年ぶりとなる欧州4強に名を連ねたのがアトレティコ・マドリー。ネームバリュー的には伏兵と呼べる存在だが、バルサとは今季5度対戦し、1勝4分と無敗。リーガでも2強を押さえて首位に立っており、頂点を争うに相応しいチームと言えるだろう。ところが、CL準決勝を前にアトレティコにとって大きな問題が浮上しているようだ。
タレント軍団、ベルギー代表でもレギュラーを務めるなど、世界的に屈指の実力者である守護神ティボー・クルトワ。バルセロナ戦でも彼の好セーブが多くのピンチを救い、ベスト4進出の立役者の一人となった。21歳のGKはよく知られている通り、チェルシーからのローンでチームに加わっているのだが、ベスト4にそのチェルシーも奇跡的な逆転劇で残ってしまったことがアトレティコにとっては痛恨だった。
アトレティコのエンリケ・セレソ会長によると、やはりクルトワの契約にはチェルシー戦に出場できない条項が含まれており、追加料金を支払えば出場は可能になるが、それは「我々が支払うことができない金額」とのこと。メディアでは1試合につき300万ユーロ(約4億2千万円)、あるいは400万ポンド(約6億8千万円)といった金額が伝えられており、いずれにしても財政難のアトレティコが捻出するのは難しいようだ。
準決勝の組み合わせ抽選は明日11日。アトレティコのクラブ関係者やファンは対戦相手がチェルシーにならないことを祈るばかりである。