◎図で見る「4プラス1カ国」の試合数

では、この「ビッグ4」に、比較のためメキシコを加えた5カ国のこれまでの試合数とその結果内訳をご覧頂きましょう。メキシコはこのブラジル大会の初戦、カメルーン戦で8カ国目の50試合到達国になりました(その後にウルグアイも達成予定)。

なおPK戦決着の場合、公式記録では「引分」ですが、ここでは実感に合うように「勝利」と「敗北」に振り分けました。

<図1>各国のW杯試合数、及びその試合結果内訳(上から勝利・引分・敗北)

ドイツは100戦65勝、当然勝率は0.650。7割を超える「サッカー王国」のブラジルにはかないませんが、イタリアやアルゼンチンは6割に届かないことを考えれば十分な成績です。欧州・南米勢以外では最強のはずのメキシコでも今までの半分以上が負け試合と考えれば、この「ビッグ4」はさすがですね。

また、各大会後の各国の累計試合数と、3大会ごとにまとめた合計試合数についての表はこちらになります。

こちらでは「理論上最大値」を計算しました。これは「全部の試合で勝利して優勝」した場合の試合数です。従って、同点で再試合になったり、順位決定戦を追加されたりした場合は、この数字よりも多く試合をする場合があります。2014年のグループリーグ終了時点で、この「理論上最大値」は120試合でした。

<図2>W杯各大会終了後の各国の累計試合数

<図3>各期間内のW杯における各国の試合数

今まで説明してきたドイツ(西ドイツ)とブラジルのマッチレース、1950年代のイタリアやアルゼンチンの不振、そして「マラドーナ時代」などがはっきりと分かります。

なお、メキシコは1974年・1982年大会の北中米予選を兼ねたCONCACAF選手権(現在のゴールドカップ)で敗れ、1990年大会は前年のCONCACAF・U-20選手権(ワールドユース予選)で年齢制限外の選手を登録したために予選参加が禁じられていました。地域では代表的なサッカー強国で、2度の自国開催W杯もありながら、全体の試合数はこのために伸びていません。

この試合結果を調べた時に、もう一つの興味深いデータも調べたのですが、これはまた次の機会に。

◎クイズ

では、今回のクイズは、この「ビッグ4」から。

ドイツ(+西ドイツ)・ブラジル・イタリア・アルゼンチン、この4カ国はW杯での直接対決もあります。もしこの4カ国の直接対決のみをピックアップした場合、順位はどうなるでしょう?

ただ、もちろんカード別の試合数は全く違うので、2つの規準で順位を決めたいと思います。

A:通常のリーグ戦と同様、「勝利=勝点3、引き分け=勝点1、敗北=勝点0」として、その合計を試合数で割った「勝点率」の高い方から順位を付ける。

B:全ての試合の得点数と失点数を合計し、その得失点差の良い方から順位を付ける。

ただし、同じ数字で順位が並んだ場合は、もう一方の順位を規準にして順位を付けます。

例:X国が勝点率1.5/得失点差+2、Y国が1.3/-1、Z国が1.2/+2の場合:
A=勝点率:X→Y→Z  B=得失点差:X→Z→Y(XとZはAの順位で決定)


筆者名:駒場野/中西 正紀

プロフィール: サッカーデータベースサイト「RSSSF」の日本人メンバー。Jリーグ発足時・パソコン通信時代からのサッカーファン。FIFA.comでは日本国内開催のW杯予選で試合速報を担当中。他に歴史・鉄道・政治などで執筆を続け、「ピッチの外側」にも視野を広げる。思う事は「資料室でもサッカーは楽しめる」。
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フェイスブック: masanori.nakanishi

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