7月28日、FIFAは「会長選挙に立候補している者の一人が人種差別的なコメントを発したというメディアの報道について、イタリアサッカー連盟はFIFAからの警告を受けている。FIFAはこの問題に対して調査と報告を行い、適切な措置を取るようイタリアサッカー連盟に通知した」と発表した。
この問題は26日、イタリアサッカー連盟の会長選挙に立候補するカルロ・タヴェッキオ氏がメディアに対して話したコメントに端を発している。
カルロ・タヴェッキオ 全国アマチュアリーグ会長
「イギリスでは、入ってくる選手を確認して、彼がプロフェッショナルなのであればプレーすることが許される。
ここ(イタリア)では、このように言うことが出来る。どんなに年を取っていて、直前までバナナを食べていた”オプティ・ポバ”であっても、ラツィオのスタメンに入ることが出来る。
イングランドでは、選手は自分の経歴、血筋などを明らかにしなければいけないのだが」
要するに”オプティ・ポバ”というのが「黒人っぽい名前」という形で使われており、そうだとしたら明らかな人種差別的発言だということで批判を受けているわけだ。
本人は「労働許可証の問題、外国人が多すぎる問題を説明したかっただけ」と差別的な意図を否定しているものの、その後波紋はどんどん広がっている。
セリエA会長ベレッタ氏、セリエB会長アンドレア・アボディ氏、またラツィオの会長であるクラウディオ・ロティート氏がタヴェッキオ氏を擁護するも、選手協会会長を務めるダミアーノ・トンマージ氏は「多数の抗議の電話を受けている」と話し、サンプドリアやフィオレンティーナがタヴェッキオ氏を支持しないことを検討していると表明。
かつて人種差別事件に直面したFWステファノ・オカカも『Gazzetta dello Sport』の取材に対して「本当の問題は、彼のような人間をそこに残らせようとする人々がいることだ。大統領がそんなことを言ったらすべて終わりだろ?」と激しく批判を行っていた。
なお、イタリアサッカー連盟の会長選挙は8月11日に投票が行われる予定で、タヴェッキオ氏のライバルとなるのは現副会長のデメトリオ・アルベルティーニ氏である。
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