チケット価格の高騰が止まらないプレミアリーグ。 先日行われた開幕戦全10試合でもその数字は顕著であり、各スタジアムでの最安額の平均は34.65ポンド(およそ5933円)であった。

プレミアリーグの魅力といえば、何といってもスタジアムの雰囲気であろう。

毎試合、どこのスタジアムにもフットボールファンは集結する。彼らの歌声は選手を走る気にさせ、テレビを通して見ている我々もそこから得るものはある。チケット価格の高騰はそういったプレミアリーグの由々しき伝統を崩壊させる可能性があり、世界中で懸念されているのだ。

そんな問題点を抱えたサポーターの負担を減らすべく、マンチェスター・シティが動いた。

英国『Mail Online』によれば、現地時間9月13日に予定されているエミレーツ・スタジアムでのアウェイ戦のチケットを一部半額で提供するというのだ。

この試合では2900枚のチケットがシティ側に割り当てられているのだが、その価格は大人で64ポンド(およそ1万920円)であるそう。エミレーツスタジアムでのチケット価格といえば、昨シーズンダントツというニュースもあった。

Jリーグを基準にしてみれば分かる通りこの価格はきわめて高額である。アウェイ遠征には別途移動費や宿泊費がかかるため、サポーターにとっては地獄のようにも思える額なのだ。

そこでシティは考えた。シーズン序盤のこの大一番に一人でも多くのサポーターに来てもらうにはどうすればいいか。

シティがたどり着いた答えは、チケット価格の半額をディスカウントすることだった。

なんでもプレミアリーグにはサポーターの遠征の質を向上させるための基金が存在しており、毎シーズン20万ポンド(およそ3400万円)もの額が集まるという。この基金の使い道は各クラブともに自由なのだが、シティはこの基金からこの大一番のアウェイチケットの半額分を埋めようしているらしい。

また、2012-13シーズンのアーセナル対シティ戦では、エミレーツへと訪れたシティサポーターがチケット価格に対して抗議を起こし、900枚近いチケットがアーセナルによって買い戻されたという。

これらの経緯を踏まえ、シティは来る9月のビッグマッチでロンドン遠征するサポーターの負担を減らすようだ。

プレミアリーグのチケット価格をめぐる現状は決して健全ではない。しかし、こうしてクラブの工夫次第でサポーターの負担を軽減させることもきっとあるのだろう。

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