逃げる浦和、猛追するG大阪―。そんな両者の関係についに大きな変化が生じた。3日に行われたJ1第31節で アウェイの浦和が横浜FMを1-0と下したのだ。

優勝の可能性を大きく残す浦和とG大阪は次節に対戦予定であり、浦和にとってこの試合に勝利した意味は限りなく大きい。というのも昨日行われた仙台戦、G大阪は試合終了間際の被弾で1-1と引き分けており、まさかの形で勝ち点2を失う結果になっていた。

浦和とG大阪は直接対決を残していることから勝ち点3差以内であればG大阪に逆転優勝の可能性が大きくあったが、浦和が横浜FMに勝利したことで両者の勝ち点差は5 に。これは、直接対決だけでは埋まらぬ差であり、逆に次節、G大阪に勝利するとその時点で優勝が決定するというアドバンテージを浦和はこのタイミングで獲得している。

「3試合を残して勝ち点差5」という条件を、皆さんはどう考えるだろうか?普通に考えれば限りなく厳しい話である。いくら直接対決を残しているとは言え、逆転するためには他力がどうしても必要で、ここまで上位を走ってきた首位チームが最後で失速する可能性は低い。しかし、何が起こるか分からないのがJリーグであるはずだ。実際、一時は16位に沈んでいたG大阪が今三冠を目指して戦っているのである。「勝負はついた」とさじを投げるには早すぎる(もちろん3位鹿島、4位鳥栖にも優勝の可能性は残されている)。

それでは、実際のJリーグにおいてラスト3試合で勝ち点差5をひっくり返したケースはあるのだろうか?調べてみることにした。対象としたのは1シーズン制のJ1である。今回は、勝ち点5差がついた状態で3試合を残したケースを全て洗い出し、そのうち逆転優勝したケースを探した。


今回調査した結果、それに該当するケースが1例だけ見つかっている。2007年シーズンのケースである。

破竹の9連勝で大逆転の末優勝を収め、悲願の「10冠」を達成したこのシーズンの鹿島アントラーズ。実はこの時の鹿島は最終節で初めて首位に立つというミラクルすぎる荒業を成し遂げており、第31節を終了した時点での勝ち点は63。一方、首位に立っていた浦和は勝ち点69であった。 すなわち、鹿島は勝ち点6差をラスト3試合でひっくり返しており、この「ミッションインポッシブル」を遂行させている。

実はこの両者、翌々節となる第33節で直接対決をしている。埼玉スタジアムで行われた試合は野沢拓也の一発により0-1で鹿島が勝利。ちなみに今シーズンの次節、G大阪と浦和の首位攻防戦が行われるのもこの時と同じ埼玉スタジアムであり、この時と同じ11月の第4土曜日(32節と33節という食い違いがあるにもかかわらず)である。偶然にしてはちょっと出来すぎと思えなくもない。

J2の歴史を振り返っても、最後3試合で勝ち点差5をひっくり返したケースは見られなかった。それでも、J2では優勝以前に昇格という大きな目標が共有されているため、参考にならない部分は否めない。そのためか、今シーズンのようにやはり首位が独走でシーズンを終える結果が少なくなかった。

ちなみに、最終節で奇跡的なマッチアップが実現し、サンフレッチェ広島が逆転で2連覇を達成した昨シーズンのJ1でも、これに近いケースがあった。というのもこの時広島は、2試合を残して首位横浜FMと勝ち点差5だったのだが、最後の2試合で逆転している。この時、両者の直接対決はなかった。しかし、広島が連勝、横浜FMが連敗したためこのような大逆転が実現した。等々力陸上競技場のピッチで中村俊輔がうずくまる姿は、今でも多くの人の脳裏に刻まれているだろう。

やはり今年も混戦となったJ1。次節、埼玉スタジアムで相見えるのは幾多の名勝負を生んできた2チームであり、「ナショナルダービー」がこのタイミングで実現することに、胸の高鳴りを抑えきれない。2014年シーズンのJ1第32節浦和対G大阪の試合は11月22日(土)14時、埼玉スタジアム2OO2でキックオフ予定。

▼おまけ

最後に、優勝の可能性が残された上位4チームの残り3試合の対戦相手はこちらから。

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