日本時間23日、いよいよアジアカップ準々決勝に臨む日本代表。

ここまでグループステージを3戦全勝しており、失った失点は0。順調な航海である。

しかし、ここから先は負けたら終わりのトーナメントである。決して油断はできないだけに、ハビエル・アギーレ監督も対戦相手の分析に力を注いでいるはずだ。

日本と対戦するのは、近年力をつけつつあるUAEである。2012年のロンドン五輪に出場しており、「同国史上最高のタレント」と呼ばれマンチェスター・シティも興味を示したという“天才司令塔"オマール・アブドゥラフマン擁する難敵である。

UAEはどんなチームなのか? おそらく誰よりもUAEを見てきた編集部Kによる分析と解説をお届けしよう。

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第3次黄金期を迎えるUAE、その起源は2008年にあり

1990年ワールドカップで初出場を果たし、1992年に広島で開催されたアジアカップでは4位に入賞。4年後の自国開催の同大会では2位という史上最高の結果を残し、強豪チームの一つとなった。これが第一次黄金期であるが、結局タイトルは獲れなかった。

そして、坂田大輔が得点王を獲得した2003年のワールドユースで最優秀選手賞に輝いたことでしられるイスマイール・マタルが中心となったチームに、第二次黄金期がやってくる。ただ、彼らは2007年には自国開催のガルフカップを制したが、アジアカップでは結果を残せずに終わった。

(首の怪我で今回の大会を辞退したイスマイール・マタル)

今回のチームは、2008年のAFC U-19選手権で優勝、2010年の広州アジア大会で日本に次ぐ2位となったメンバーがベースである。

彼らは2012年に同国初のロンドン五輪に出場し、2013年にガルフカップを制覇。中東でのタイトルを持ち、アジア全体を含めた舞台でも十分な結果を残せる能力を見せている。第1次、第2次を超える黄金期が今まさに訪れているのだ。

ちなみに、2010年広州アジア大会と今回のアジアカップの両方に出場しているのは以下の8名。怪我で辞退したアリ・ハシーフを加えると9名が継続されている。

また、その一人であったテヤブ・アワナが後に交通事故死しており、彼も生きていればメンバーであったかもしれない。

DF: ハムダン・アル・カマリ
DF: アブドゥラジズ・サンクール
DF: ムハンマド・ファウジ
MF: オマール・アブドゥラフマン
MF: アミール・アブドゥラフマン
FW: ハブーシュ・サルブーフ
FW: サイード・アル・カティーリ
FW: アハマド・ハリル

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