1月9日に開幕したアジアカップもついに3位決定戦と決勝を残すのみとなった。韓国に敗れたイラク、オーストリアに敗れたUAEが3位の座を賭けて争う。
先に試合を動かしたのはUAEだった。カウンターからオマール・アブドゥラフマンが受けて繋ぎ、マブフートが中央を突破。引っかかってこぼれたところをオマールが拾ってスルーパスを送り、アハマド・ハリルが飛び出してシュート。完璧に崩しての先制点であった。
ここまでボールポゼッションでイラクを上回り、中盤を支配していたUAEであるが、20分に大きなミスからマフムードに大きなチャンスを与えてしまう。
このあたりから徐々に流れはイラクに。彼らは通常の4-2-3-1ではなく4-1-4-1を使用し、UAEの2ボランチに人数を合わせたような形で、中盤でのボール奪取を重視していた。相手が弱気になればなるほど力は発揮できる。
そして28分に同点に追いつく。起点は右のアムジャード・カラーフからのクロス。それが左に流れ、再びの折り返しも流れてアムジャード・カラーフが拾ってパス。追い越したワリード・サリムがシュートを放ち、ゴールに決めた。
さらに42分にはイラクが逆転ゴールを決める。セットプレーからのセカンドボールを拾って前に送り、アハマド・ヤシーンが強烈なミドルシュート。キーパーが弾いたところをアムジャード・カラーフが押し込んでネットを揺らした。
しかし、後半の序盤に再びUAEが流れを掴んだ。内容的にはイラクが前線でのパス回しでテンポを上げており、それほど優勢な流れではなかった。
ところが、51分には低めの位置でボールを受けたオマールが裏に送り、飛び出したアハマド・ハリルがゴール。一撃必殺のパスで試合の展開をガラッと変えた。
そして55分にはイラクが大きなミスを犯し、マブフートをアハマド・イブラヒムが倒してPKを与える。このファウルにレッドカードが提示され、イラクは一人少ない状況になった。
マブフートが今大会5点目となるゴールを決め、UAEがリードを奪った。
この後10人となったイラクは反撃を狙うも、なかなかUAEを押し込むまでには攻撃力を高められず、何度かのチャンスも決めることが出来なかった。
この結果、UAEが3-2でイラクに勝利し、アジアカップ3位という結果を手に入れた。自国開催の1996年大会では2位に入っているが、中立地では歴史上最高の順位となる。