あまりの熱中ぶりに遂に泣き出す

原博美が涙を流しながら解説をした試合がある。

2000-01シーズンのUEFAカップ決勝リヴァプールVSアラベスである。マネ監督率いるアラベスはリーガ・エスパニョーラへの初昇格を果たして数年の中小クラブであったが、右サイドバックのルーマニア代表コスミン・コントラ、クライフJrことジョルディ・クライフ、スペイン代表FWハビ・モレーノらを擁し準決勝ではインテルを下しての決勝進出だった。

この試合0-3とリードを許したアラベスは敗色ムード濃厚の中、3-3の同点に追いつくと試合は延長戦に突入。最終的には4-5でリヴァプールの前に敗れるものの余りにも驚異的な粘り、「この試合に負けたら死んでしまうのではないか?」と思わせる選手の姿に我々は興奮した。

原は言った。

「涙がでてきてしまいましたよ。」


熱すぎた2001年のUEFAカップ決勝リヴァプールVSアラベス

原はまた、違う番組でハビエル・イルレタと出会い、彼が監督になってからつけている通称「イルレタ・ノート」を見せてもらっている。このノートは当時イルレタが率いていたデポルティーボ・ラ・コルーニャの戦術、分析がこれでもかと詰められている。

FC東京監督就任の際に「リーガ・エスパニョーラの様なサッカーを目指す」と語った原だが、そのお手本はレアル・マドリーやバルセロナではなかった。アラベスやデポルティーボ・ラ・コルーニャを目指すというのが正解だったのだ。


あれから13年

"惜しまれた"別れから13年近い歳月が流れた。FC東京監督就任後も、時折プレミアリーグやJリーグの解説などで解説者ハラヒロミを見ることができた。

しかし、そこにいる原は表の顔があるからなのか何となくきっちりしすぎているのだ。

今回のヴァヒド・ハリルホジッチ監督招聘の影にもきっと霜田正浩技術委員長と共に忙しい日々があったことだろう。

原のファンを指し示す"ヒロミスタ"という言葉は今や死語になってしまった。だが、できるならまたあの郷愁の日々をもう一度…と思ってしまうのもまた事実である。

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