24年ぶりのW杯、そしてアメリカとの歴史に残る死闘

この後、チームはフランスリーグで台頭したMFフード・カディールが加わったことで大きなブレイクスルーを遂げる。

カディールは稀代のユーティリティープレイヤーであり、最前線からウイングバック、ボランチまで全てをこなせる男。彼を起用することで右ウイングバックの人材が生まれ(しかも4バックでもどこでも使える)、3-4-3、3-5-2というオプションが使用可能になった。

そして迎えた2010年ワールドカップ。6月23日には今なお語り草となるアメリカとの死闘を繰り広げた。

相手の監督ボブ・ブラッドリーとラバー・サーダヌは試合中にシステムを変え合い続け、サイドの主導権を奪い合い、この大会で最も戦術的な試合を演じている。

最終的にはロスタイムでランドン・ドノヴァンにゴールを決められてしまい敗北したが、両チーム合わせて41本のシュートが飛ぶ熱戦を演じた。グループリーグ敗退という結果にはなったものの、古豪アルジェリアここにありという基盤を作り上げたのである。

詳しくは次回に回すものの、この時に選手たちが世界屈指のフレキシブルな戦術を経験し、プレーの幅を大きく広げたことが、2014年大会のサッカーに繋がったといっても過言ではない。

(イングランド、アメリカなどど好勝負を繰り広げたアルジェリア)

ちなみにサーダヌ氏はこの後9月にアルジェリアを離れるが、それから3年後になる一昨年末にESセティフの監督に就任。

2014年6月に彼は退任したが、サーダヌのアシスタントとして腕を磨き後任となったマドゥーイ監督の下、その4か月後にCAFチャンピオンズリーグを制し。クラブワールドカップへの出場を果たしている。

【その2 ハリルホジッチ政権前半に続く】

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