相次ぐテロと粛正にも…
今年、モスルでISILは13名の男の子を公開処刑した。彼らはISILの命令を無視して、テレビでアジアカップのヨルダン対イランの試合を見ていたからだ。
しかし、もしイラク人ジャーナリストのマーヒル・ハミード氏が語ることを信じるならば、その弾丸は無駄になる。殺害の恐怖は、イラク人をフットボールから遠ざけることは出来ないと。
「イラク人は、食べ物よりもフットボールが好きだ。何があっても。どんなことがあっても。イラクでサッカーの試合を止めることは出来ない」
ハミードは誇張していない。サッカーの試合と、そのファンは、過去12年の間、テロの対象であり続けてきたからだ。
2013年のアル・アバーラーでは、サッカーの競技場に簡易的な爆弾が設置された。試合が進んでいるとき、迫撃砲の弾丸が雨あられと降り注いだ。そして、多くの人々が死んだ。
しかし子供達はまだ国のあらゆるところでサッカーをし続ける。どんなに汚れ、どんなに荒れたピッチでも。コンクリートでも、芝でも。そこに絶え間ない危険があるにもかかわらずだ。
直近では、バグダッドにあるアル・シャーブ・スタジアムで”エル・クラシコ”、アル・ザウラー対アル・クワ・アル・ジャジーラの試合だ。一連の爆破で30名が死去した。
「爆発の中でも、我々は人生を送り続けるんだ」
2年前、アル・シャーブ・スタジアムで行われたリベリアとの親善試合を観戦した一人、ガズワン氏はそう言った。その試合は、スタジアム付近の2つの自爆テロによって中断された。
「我々は爆発を恐れない。むしろ、恐ろしいチームが怖いね!」
もう一人のファンは言った。
「爆発は道路で我々を襲った。そして我々のチームがピッチで負けた。これ以上に悪いことなんかあるものか!」