PKというキックの上手さを比較するのはきわめて難しい。
なぜなら、PKを難しくさせるのはキッカーに対するプレッシャーであり、練習や技術である程度精度が増すフリーキックに対してそうしたものでどうにもならない要素があるからだ。
しかしそれでも、「現時点で世界最高のPKキッカーは?」とサッカーファンに問えば多くがこの選手の名をあげるだろう。
チェルシーの背番号10を背負うMFエデン・アザールだ。
アザール最大の魅力は高速かつ巧みなドリブルであるが、強心臓の持ち主でもある。チェルシーではPKキッカーを務めており、PKの技術も群を抜いている。相手GKを先に対してから逆サイドに蹴る、いわゆる遠藤保仁タイプのPKキッカーだが、その落ち着きは心憎いほどである。
助走はほんのワンステップであり、ボールの威力も強くはない。しかし、アザールはプレミアリーグやUEFAチャンピオンズリーグといった大舞台でも確実にPKを沈めており、チェルシーサポーターにとってはこれ以上ないほど心強い存在であるのだ。
PKが上手い選手は他にもいるが、おそらくアザール以上に「相手をあざ笑う」という表現が相応しい選手はいないのではないだろうか。今回は、現役最高と言っても過言ではないアザールのPKスキルをたっぷり見てみることにしよう。
まさにGK泣かせである・・・。
では、なぜアザールはこれほど簡単にPKを成功できるのだろうか?キックの瞬間のモーションを見てみよう。