日本代表は、ワールドカップ予選で次節カンボジアと戦う予定だ。2011年の北朝鮮戦以来となる人工芝に加えて、カンボジア特有の気候は日本代表に思わぬ苦戦を強いるかも知れない。

気をつけなければならないポイントについて、実際に一昨日アビスパU-18との試合に出場し得点を決めた加藤明拓氏(カンボジアンタイガーFCオーナー兼選手)に話を聞いた。

カンボジアの気候と人工芝

カンボジアの平均気温は11月でも25度を越えており、ピッチは高温になることが予想される。人工芝についての論文を調べてみると、気温が26度あるとピッチ表面は42~56度になったというデータがある。人工芝は天然の芝と違い蒸散作用がないため気温の影響をもろに受けるためだ。

選手は熱中症の危険性と戦わねばならないが、サッカーのハーフタイムはおよそ15分と短いものであり休憩時間は非常に少ない。適切な対処が求められる。

加藤氏は「暑いですが、ナイトゲームなので26度ぐらいにはなるでしょう」と語っている。

人工芝の世代について

次に、足腰への負担が心配されている。日本ではJFA公認の“第3世代”と呼ばれるロングパイル人工芝が1990年代後半以降幅広く使われている。足腰の負担は人工芝が生まれた当初からの問題であったが、この“第3世代”では天然芝とほぼ変わらない衝撃吸収度を誇ることが実証されている。しかし、今予選で使用するオリンピックスタジアムの人工芝はそれほど良くないという。

また、足裏の低温やけど、擦りむきなどの外傷は天然芝よりも大きい。

加藤氏は「天然芝は良いものではないが、力の差があるので大した問題ではないです」と語ってくれた。

使用ボール

使用ボールは現地社製のボールであり、普段日本がホームで使用しているようなハイテクなものではない。一部メディアによってはボールの対応に苦戦しているという報道も見られているが…。

加藤氏は「サッカーボールは問題ないでしょう。ベトナム製でしょうが、結構蹴りやすいです」とこれも懸念を払しょくする発言をしている。

総合すると、カンボジアというと日本人にとって未知の土地であり、それゆえに必要以上に恐れを抱いているのかも知れない。しかし、今の日本代表ならばそうした環境の違いを乗り越える実力がある、と言ったところだろうか。

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