だから彼は人気があるの?
愛想の良さは、全てのマネージャーのデフォルト設定ではないかもしれない。しかし、ラニエリは彼のチャーミングなふるまいを巧みに使ってきた。
試合後にライバルの指揮官とワインを楽しめるくらい彼のドアがオープンであるように、彼は選手たちや同僚たちに対して礼儀正しい。
彼は毎日挨拶として全ての人々と握手をする。そして、そこには指揮官へ向けられた暖かい気持ちが存在する。
彼は選手たちをニックネームで呼ぶ。ドリンキーはダニー・ドリンクウォーター、ジミーはジェイミー・ヴァーディ。多くの人がこのレスターのストライカーをヴァーズと呼ぶにもかかわらずだ。
言葉の問題が少しあるが、彼は次選手たちについてジョークを言う。リヤド・マフレズを「私のロードランナー」と呼び、ドリンクウォーターを「私のパイロット」と呼ぶ。チームのミーティングが終了すると、参加の御礼を選手たちに言うのである。
クリスタル・パレス戦でシーズン最初のクリーンシートを達成した際、彼はチーム全員をピーター・ピッツェリア(=ピザ屋)に連れて行きご馳走した。
だが、彼はさらに”ミスター・ナイスガイじゃないか?
そうだ。彼はトレーニングセッションを鷹のように見つめ、もし彼が気に食わないことがあれば、英語とイタリア語で激烈な叱責を即座に伝える。
シェイクスピアとベネッティがゴールキーパーコーチのマイク・ストウェルと共にこのセッションを先導する。
ヘッド・フィジオのデイヴ・レニーもこのグループの一員であり、選手が到着する前の早朝にそれぞれのセッションの更に細かいことを決めている。
戦術的に成し遂げたのは?
ラニエリはレスターがこのリーグの定型的な型で昨シーズンをフィニッシュしたことに気づいていたので、ドラスティックな変更を行うよりも、システムを覚醒させることを選択した。
レスターは3人のセンターバックとウィングバックによる3-4-1-2のフォーメーションでプレーしていた。しかし、4-4-1-1にスイッチし、ジェイミー・ヴァーディを輝かせるため自由な役割を与えることを優先した。
マフレズは10番のポジションからウィングへとシフトした。ラニエリはそこが最も効果的だと感じているからだ。
マーク・オルブライトンは全ての機会で左のスペースからボールを即座に蹴りこむように言われ、既に5アシストを記録している。
2014年11月、ラニエリは成績不振でギリシャ代表監督を解任されたラニエリ。1年後に彼が世界屈指のリーグであるプレミアリーグで首位に立つチームを指揮していると想像した人はこの世界に1人もいないはずだ。
まさに指導者として彼が積み重ねてきた努力の賜物と言って過言ではないだろう。