また一方で、審判をやったことがあるなどサッカーについてそれなりに知識があれば、こういった図も知っているはずだ。
前述の「追加副審の導入を決定」に関するJリーグのリリースに付帯されていたPDFから抜き出した画像で、審判の試合中における一般的な位置取りが示されている。
両ゴールから見てそれぞれ左側のタッチライン際に副審が立ち、ピッチの半分のエリアをカバー。主審は副審の反対サイドを中心に斜めに動くことが基本となる。11人制サッカーならアマチュアであっても当たり前のことだ。
そしてここから分かることは、ハーフウェイラインで分けられた半面のピッチにおいて、「審判の視点」という観点から同じ状況の場所はどこにも存在しないことである。
簡単にいえば、
この4か所からゴールに向かってドリブルを仕掛けるプレーは、状況的にすべて異なる。サッカーというスポーツにはこういった“仕組み”があるのだ。
今回の場合、カウンターにおける主審と副審の視線を考えると、このようなシチュエーションになる。
青が審判の視線、赤が丹羽。つまり、黒の点線で囲んだ辺りに死角ができやすい。
今回、完全に黒のエリアで何かが起こったとはいえないかもしれないが、状況や場所によってどういったことが起こりえるのか、選手は予め学んでおく必要がある。もし一方だけが知っているのであれば、それはアドバンテージにもなりえるだろう。