この副審と逆サイドのエリアというのは、いろいろなことが起こりやすい場所だ。
たとえば、日本がグループステージ敗退を喫した2014年ワールドカップのコロンビア戦、先制点となるPKを奪われたのもこのエリアだった。
同じカウンターの形(=審判が良いポジションから見られるとは限らない)。当時から今野泰幸のタックルについて指摘する声は多かったが、このエリアがどういった場所なのか彼が深く理解していれば別の対応を選択していたかもしれない。
思えば昨年のJリーグも開幕前後に「誤審」が非常に大きな話題となった。その一つ、開幕戦となった清水エスパルスvs鹿島アントラーズについて当時取り上げたが、あの場面も清水DFの対応が良ければ「誤審」以前に決定機まで至らなかった可能性が十分にあった。
ただ、「誤審」がスキャンダラスに注目を集める一方で、守備の拙さについては全体としてあまり具体的に触れられていない現状がある。
今回の丹羽に関しては、彼がヴァヒド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表の一員でもあるため少し踏み込んで取り上げた。サッカーも他の多くのスポーツと同様、守備に関してはかなりの割合で“正解”が存在する。だからこそ改善することが結果にもつながりやすい。
今回の一件がJリーグ全体としてレフェリングはもちろん、守備面のレベルアップにもつながっていくことを願ってやまない。