自分の感覚を大切にできる選手

ポグバのプレーを観ていると、常に自分を柔らかい状態にしておくことが大事なのだということがわかる。

正確なパス、正確なトラップ、正確なドリブル、正確なシュート、などと意識すればするほどに硬くなり、本然的な美しさからは遠ざかっていく。

美しいプレーは柔らかさの中から生まれる。柔らかいプレーをするためにはもっと自分の感覚に忠実にあらねばならない。

大切なのは意識の持ち方なのだ。正しくプレーしようと意識することよりも、身体が感じるボールの感覚と仲間の求める感覚を意識しなければならない。

ポグバは自分の感覚を、自分のリズムを大切にできる選手なのだ。

ポール・ポグバのエラシコ

自分のリズムを大事にすること

自分のリズムを大事にできる選手にしか仲間のリズムも、試合のリズムも大事にすることはできない。

サッカーは90分の中で、それぞれがリズムを揃える瞬間もあれば、誰かがリズムを変える瞬間もあれば、誰かがリズムを刻み始める瞬間もあれば、誰かがリズムを加速させる瞬間もある。

第1回コラム『ネイマールに宿る、サッカーの本質とは?』より

自分のリズムを刻むこと。

チームメイトそれぞれのリズムを知ること。

チーム全体のリズムを感じること。

試合のリズムを感じること。

相手のリズムを感じること。

そしてリズムで遊ぶこと。

遊ぶことなしにリズムを自在に変化させる発想は生まれない。

柔らかいリズムで、時には激しいリズムで、時には鋭いリズムでピッチで表現すること。

リズムは自由だ。自分のリズムを愛することなしに、誰かのリズムを愛することはできない。

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