ムリキのプレースタイルとは?
2014年に広州恒大を退団したムリキは、その後カタールの名門クラブとして知られるアル・サッドに加入した。
カタール・スターズ・リーグでは、初年度に大きな怪我で離脱をしたが7試合4ゴール、2年目に16試合11ゴールを決めた。
アル・サッドでの試合を見た方なら広州恒大時代ほどのキレではなかったことは分かるだろうが、それでもチャンスを得たときの決定力は高いものを見せた。
171cmと小柄な体格を持つムリキの強みは、何と言ってもスピードとキレ、そして抜け目のなさだ。
コンビネーションから裏へと抜け出すスピード、そして自らドリブルでぶち抜いていく突破力。また、相手のミスを目ざとく生かしてボール奪取から得点を奪ってみせることも。特にワンツーでの切れ味はよく知られるところだ。
FC東京は昨年マインツに武藤嘉紀を放出し、ネイザン・バーンズ、サンダサと外国人選手を獲得してきた。しかし、自ら前に持っていく力がありつつ、ゴールも奪えるという武藤嘉紀の穴が決して埋まったわけではない。
もちろん、ムリキも武藤とは全く違うタイプであるが、点を取れるという部分では良質なセカンドストライカーとしての働きを期待できる選手だ。
特に周りにコンビネーションを作ってくれる選手がいる際には、彼の強みはより一層生きる。タダの快足アタッカーではなく、連携の中で点を取れることが魅力だからだ。
その点でいえば、前田遼一や水沼宏太などが周りを固めるというのはムリキを生かすためのバランスとして整っているともいえる。
AFCチャンピオンズリーグで猛威を振るった彼がJリーグでどれだけやれるのか? アジアサッカーファンにはもちろん、Jリーグのサポーターも楽しみにしているだろう。
サンダサが既に契約解除されたということは加入も近いはず。ここしばらく怪我や不運な解雇に苦しんできたムリキ、ブランクを払拭して日本で復活できるだろうか?