EURO2016のメンバーが続々と発表されるなか、イタリア代表への選出に期待が集まっているのがトロントFCのセバスティアン・ジョヴィンコだ。
イタリアでやや伸び悩んだジョヴィンコだが、トロントに移籍した昨年、“異次元プレー”の連発でMLS最優秀選手に輝き、欧州から離れた身でありながらアッズーリに復帰。今年も開幕から絶好調で、14日に行われたバンクーバー・ホワイトキャップス戦でも2ゴールを決め、10試合8得点とした。
もはやMLSでは反則といった感じであるが、ホワイトキャップス戦の後半にはまたも神技的なプレーを見せていた。
自陣からのロングボールに、半身の体勢で落下地点に近付くジョヴィンコ。
背後にDFがしっかり付いてきていることは、十分に察知していたのだろう。右足のアウトサイドか、かかとに近い場所でボールの勢いを殺して自身の右側に落とし、このDFをあっさり置き去りに。
すぐに反転して前を向くと、後方から必死に喰らい付くもう1人のマーカーを振り切り、左足でシュートを決めたのである。
トラップの技術、創造力はもちろんのこと、コントロールしてからシュートを放つまでの動作の速度はまるでゲームのよう。彼には体重移動という概念が存在しないのだろうか?
このジョヴィンコのゴールで一度は2-2の同点としたトロントだが、撃ち合いの末に3-4で敗戦。トップ下で先発起用された遠藤翼もあまり見せ場を作れなかった。
しかし、勝利したホワイトキャップスのカール・ロビンソン監督は「対策はとても上手くいったよ。それでも彼には2点を奪われてしまった」と、ジョヴィンコに脱帽していた。