八戸市多賀地区多目的運動場(仮称)

場所:青森県八戸市

収容人数:5200人

アクセス:東北新幹線・青い森鉄道八戸駅、及びJR八戸線本八戸駅から車で20分

本八戸駅からバス30分、市川バス停から徒歩8分(500m)

クラブ:ヴァンラーレ八戸(JFL)

状況:現在建設中、2016年9月完成予定

利用開始:2016年10月

多賀地区多目的運動施設の全景。中央上(東側)、白い管理棟に面するのがメインスタジアム、下(西側)がサブ。周囲には広大な駐車場が用意される。
(八戸市の『(仮称)多賀地区多目的運動場実施設計(概要版)』より)

吹田と比べると小規模で、しかもまだJFLでの使用ですが、この八戸の新スタジアムも全国に与える影響は大きいはずです。ただ、どうしても青森県外での報道は小さくなるので、八戸市のスポーツ振興課に電話でお話をうかがいました。

スタジアムの建設場所は八戸市の北東部、奥入瀬川と五戸川に挟まれた多賀地区の県道19号線沿いになります。2013年9月に八戸市が基本構想を発表してから計画は順調に進み、ちょうど3年経つ今年、2016年9月の完成がもう秒読み段階です。

建設地は元々農地で、西側は4車線の県道、東側には住宅地や水産加工団地があり、その先の太平洋岸までは直線距離で1kmを切ります。東日本大震災では住宅地や工場の一部が浸水し、さらに今後最大で約12mの津波が襲来する恐れが指摘されたため、周辺住民の安全を確保する「津波避難ビル」の建設が必要でした。

そこに「復興のためのにぎわい施設」として、元々市内に不足していたサッカー場の整備を加えたというのが、基本的な流れです。

同時期にヴァンラーレ八戸が強くなり、2014年に参入したJFLで2015年1stステージに優勝した(年間総合で2位)のも追い風になり、JFAなどとの協議の上で「収容5200人、J3規格を前提として作る日本初のスタジアム」として整備されることになりました。

メインの多目的運動場は土から天然芝へ変更され、屋根はほぼ無いかわりに将来の照明設置スペースは確保され、大型映像装置も1基できます。1700人のサイドスタンドも作られるサブグラウンドでは人工芝が使われ、当初から照明も付いて、ヴァンラーレ以外の一般利用も考えられています。

公共交通機関の便は悪く、未発表の市営バス臨時便がもし本当に無いならアウェー側観客は八戸駅からも一仕事ですが、試合時に1500台の駐車場が使えるホーム側サポーターならほぼ大丈夫でしょう。

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