ただ、費用面では特別な事情が。
建設費は33億6千万円ですが、多くは国の復興予算から支出されています。5年前の被災地であり、想定最大級の津波でも耐えられる4階・高さ14mに地域住民を収容できる集会室や備蓄スペースなどがある巨大な管理棟は「無駄な出費」では決してありませんが、かなりお金のかかった施設だとも言えます。
市議会での質疑でも用地買収でも大きな反対はなかったという点も、全国各地で難航するスタジアム整備から見ればうらやましい話です。
それでも「あと1年早ければ……」という思いを越え、ヴァンラーレは今シーズンもJFLで上位争いを続けています(追記:当初は「J3で上位争い」と誤記していました。関係者と読者の皆様にお詫びします)。元日本代表の市川大祐を加えたチームは1stステージを5位、昇格圏内まで勝ち点1差で終えました。
そして10月2日のこけら落とし、2ndステージ第11節のMIOびわこ滋賀戦からのラスト5試合中4試合を多賀開催にし、ラストスパートの準備は万端です。緑色のイカの妖精、「ヴァン太」は初の魚介類マスコットとしてJリーグを侵略できるでしょうか。
青森県初のJクラブへ!ヴァンラーレ八戸の2016新ユニフォーム
https://qoly.jp/2016/04/26/vanraure-hachinohe-2016-...
八戸市公式サイト:(仮称)多賀地区多目的運動場実施設計の概要について
http://www.city.hachinohe.aomori.jp/index.cfm/12,8...
このような形で、これからも全国でのスタジアム整備の現状について、その問題などにも触れながら紹介していきます。次回の(2)では、2017年完成予定の2つ、北九州と今治について書きます。
筆者名:駒場野/中西正紀
サッカーデータベースサイト「RSSSF」の日本人メンバー。Jリーグ発足時・パソコン通信時代からのサッカーファン。FIFA.comでは日本国内開催のW杯予選で試合速報を担当中。他に歴史・鉄道・政治などで執筆を続け、「ピッチの外側」にも視野を広げる。思う事は「資料室でもサッカーは楽しめる」。
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