これらの進化は、今までよりも身体の形に合わせた、曲線に仕上げられたダイナミックフィットカラーにも生かされている。
足首の骨の形になじむような形状で、しっかりと足首を包むために厚目の編みで仕上げることにより、アキレス腱にしっかりとフィットし、快適性を高めている。また、シュータンのない構造で、シューレースの下には薄めのパッドを配置。ボールタッチの多いこの部分をしっかりと包んでいる。
さらにフィットを高めるため、『マジスタ2』ではかかとを安定させるヒールカウンター部材を内側へ。Nikeグリップソックライナーが、スパイク全体のトラクションシステムの一部として、スパイク内の足の安定感を高めている。
ソールプレートのスタッドの配置も、プレースタイルごとに最適なトラクションパターンを科学的にテストすることで推測の余地をなくし、FEAデータ(※Finite Element Analysis=電磁界有限要素解析)を活用して一新。
「『マジスタ2』のトラクションに科学的研究を用いたことが、これまでとは全く違う結果を導いてくれました。このスパイクを見ると、これまでの円柱形のパターンがまるで白黒テレビのように感じられます。プレイヤーもすぐに違いに気づき、とても良い反応を見せてくれています」
新しいトラクションパターンの重要な点は、一つ一つのスタッドがどう機能しているのかではなく、その配置によってプレートがシステムとしてどのように機能するかにあるようだ。
「マジスタ」を履くプレイヤーにとって、足を回転させる動きは重要なため、母指球の周囲にV字のスタッドを配置。これはNikeスポーツ研究所(NSRL)のFEAデータに基づいたもので、さらに加速のため半円柱系のスタッドが足の外側と内側に、かかとの安定感向上とスピードを止めるためのスタッドもそれぞれデータに基づいて配置されている。
このような先進的なトラクションシステムのソールプレートは、初代『マジスタ』の85グラムに比べて軽い60グラムに仕上げられている。