21日、「中国の企業グループがリヴァプールの株式買収に動いている」と報じられ、大きな話題になった。

香港に拠点を置いている中国光大国際有限公司(China Everbright)が中心となった投資グループが7億~8億ポンド(およそ891.7~1019.1億円)を準備してリヴァプールを買収しようとしているという話だった。

『Sky』や『Financial Times』などではすでにオファーを行っているという報道が出ており、ついにイングランドのビッグクラブが中国資本になるのかとささやかれた。

結局リヴァプールのオーナーであるフェンウェイ・グループは「オファーは届いていない」と否定しているのだが、この中国の動きは実際に行われており、今後どうなるかは分からない。

『Liverpool Echo』は「この中国のグループとは何者なのか?」という記事を掲載し、リヴァプールの株式を手にしようとしているコンソーシアムの実態に迫っている。

光大とは何者?

光大は1983年に香港で設立された複合企業体だ。中国本土と外国との間の貿易において金融取引のための橋渡しを行うため、中国の政府が設立した国有企業である。

資産管理や投資事業、ベンチャーキャピタルファンドなどの事業が主力であり、国際的な取引を行っている。2015年末の段階での資産は70億ドル(およそ7000億円)を超えている。

投資グループは何者?

『Sunday Times』によれば、リヴァプールへの入札に向かっているのは光大であるが、お金の大部分は中国投資公社(CIC)からやってくる可能性が高い。

CICは国有企業の外貨準備金の一部を管理する責任を負っている政府系ファンドである。2007年に設立されており、2015年の運用資産残高は8130億ドル(およそ81兆円)、純利益は740億ドル(およそ7兆4000億円)であるとのこと。

この入札に関わっている英国の女性は何者?

『Sunday Times』によれば、この入札に関わっているのは43歳の英国人女性アマンダ・ステーヴリーであるという。彼女はPCPキャピタルパートナーズの人間だ。

2008年にはUAEのドバイを中心とした国際投資グループがリヴァプールの株式を購入しようとしていたが、その際にもアマンダ・ステーヴリーは関与している。

また、同じ年にシャイフ・マンスールがマンチェスター・シティを購入した際にもアマンダ・ステーヴリーがかかわっている。

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