実況はアナウンサーの「必須スキル」
びわ湖放送を退職後フリーアナウンサーとして様々なスポーツの実況を担当されている牧田衞活先生。野球やサッカーだけでなく、バスケや格闘技、ママさんバレーや綱引きまで様々な競技でマイクを握っていたそうだ。
まず牧田さんからアナウンサーとしての就職についてのお話があった。
我々スポーツファンにとっては、アナウンサーといえばむしろスポーツ実況のイメージだ。しかし、実は意外にもこれを専門とするレッスンはかなり珍しいという。
学生の間に実況のスキルを磨き、そして就職試験でそれをアピールできることは、非常に大きな強みになるとのことだ。特に男性は、キー局であっても地方局であってもスポーツの実況は求められるようだ。
また、情景を描写して言葉に出すというスキルは、スポーツだけではなく災害レポートなどでも使われるもの。
自分が見ているものを豊富なボキャブラリーで言葉にし、適切なリズムで話をつなぐ。さらにユーモアや独自の視点を加えていくクリエイティブ能力も必要になる。
そこで、最初の演習は「眼の前にあるものを1分間実況する」というもの。お題はこれ!
何の変哲もない机・・・である。
最初にこれをやることになったのは私編集部K。周りの人で予習もないままやってみると、まあこれが意外に難しい! 言葉がうまく出て来ない上に、目の前のものをただ述べていくだけでは結局オチに辿りつけなくなってしまうのだ。
さらに、グダグダの状況でやっていたらストップウォッチすら23秒で間違って停めてしまうという大失態! なんとも厳しい1分だった・・・。
しかし、アナウンサー受験の際にはこのようなテストが頻繁に行われるという。時には突然屋上で「ではこの景色を実況してください」なんてことも。当然、出来ない人は言葉に詰まってしまう。
しかし実況のスキルがあれば、目に見えるものからどんどん言葉が繋がって行き、ユーモアも加える事が出来る。そうすれば、合格間違いナシ!・・・というわけでもないだろうが、明らかに有利にはなるはず。
牧田さん曰く「実況の力は誰が持っている。脳が使われていないだけ。練習でそれを目覚めさせていくのだ」とのことである。努力あるのみ!ですなあ。