アジアカップ時から変わってきた中盤の構成
このところのオーストラリアの傾向として特筆すべきなのは、アンジュ・ポステコグルー代表監督が4-3-3のシステムをカスタマイズし、4-1-2-3にして使っている点だ。
その狙いは当然オーストラリアが今持っている強みを生かすことである。
2015年のアジアカップで使っていたシステムも4-3-3であったが、中盤の組み合わせはルオンゴやミリガン、マッカイなどを中心にした3センターだった。
しかし、現在の3枚はマイル・ジェディナクをアンカーに配した上で、トム・ロギッチとアーロン・ムーイをトップ下のように置く、より攻撃的なシステムなのだ。
これはもちろん、2人の攻撃センスをチームで生かすため。
ウェスタンシドニー・ワンダラーズで小野伸二と縦のコンビを組んでいたことで知られるアーロン・ムーイは、当然そのために日本でも有名な選手だ。
スキンヘッドの無骨な外見であるが、Aリーグ時代からそのパスセンスは傑出していた。短距離だけではなく、ミドルレンジで正確なボールを供給できる。運動量も豊富で、セットプレーも精度が高い。
間違いなく、彼はこれまで代表に定着できなかったのが不思議なくらいのプレイメイカーである。今の豪州の攻撃は、全てが彼から始まると言っても過言ではない。
セントラルコースト・マリナーズで若くして台頭したトム・ロギッチも、ACLでもJリーグのクラブと対戦したのでよく覚えられているだろう。
セルティックへと移籍してからは大きな怪我に悩まされ、一時はベガルタ仙台への入団までも噂されたが、昨季見事に復活を遂げた。
188cmという大柄な体格を持ちながらも、かつてはフットサルのオーストラリア代表にも選ばれていたという男だ。高いテクニックと懐の深いドリブルを備え、強烈なシュートでゴールを狙うことも可能である。