左サイドと前線のスピード
そしてもう一人キーとなるのが左サイドバックのブラッド・スミスだ。リヴァプールからボーンマスへと移籍した彼の武器はスピードと攻撃力である。
かつてユースではウインガーとしても起用されており、スペースがあれば爆発的な速度で上がってくる。クロスだけではなく、自分でゴールを狙うことも出来る。
そのためにオーストラリアは右サイドバックに工夫をしている。イラク戦ではデゲネク、UAE戦ではマッガワン、サウジアラビア戦ではマーク・ミリガンが使われた。すぐ気づくとは思うが、3人共にセンターバックが出来る選手である。
そして左サイドバックの控えはクレイグ・グッドウィン、アレックス・ガースバック。当然、Aリーグを知っている人なら「なんて攻撃的なんだ」と思える2名だろう。スミス含めて全員前線でも起用されていた男たちだ。
このあたりはもはや人選からして戦術が分かってしまうような形。日本戦だからといってシフトチェンジすることも難しい招集になっている。
そして、もちろんオーストラリアの強みの最後の一つは前線のウイングだ。
アジアカップの時に大きな注目を集めることになったのが、ドイツのインゴルシュタットでプレーしている快速ウイング、マシュー・レッキー。
逆サイドでパートナーとなるのが、こちらもドイツのレヴァークーゼンに所屬している万能FWロビー・クルーズだ。とにかく怪我が多い選手だが、サウジ戦では好調なパフォーマンスを見せている。
両者ともに武器はスピード。サイドラインからスペースをえぐってくる飛び出し、そしてドリブルで仕掛けを行ってくる。
得点力は決して高くはないが、アーロン・ムーイのパスに彼らの動きが組み合わされることによって、ダイナミックな攻めが可能になるのだ。
また、この人選ならトップ下が使える。そのため、ムーイやロギッチを2トップの下に入れる4-3-1-2に変化させることも出来るという深みが生まれた。