ここ最近、フランクフルトMF長谷部誠が「鉄人」ことローター・マテウスと比較されている。

ボランチを本職とする長谷部。

しかし今季に入ってからは3バックの真ん中で起用される機会が増え、ニコ・コヴァチ監督が「晩年のマテウスを彷彿させる」とコメントしたのだ。

思い起こしてみれば、浦和レッズでプロデビューを飾った頃の長谷部は攻撃的MFであり、その前へ向かう姿勢はカカと比較する声もあった。

その後はセントラルミッドフィールダーに本職を移して大成し、現在ではそのユーティリティ性を買われ3バックの一角として起用されているのだ。

長谷部のように、キャリアを重ねるごとにポジションを下げていった選手は他にいるのだろうか?5つのケースをご紹介しよう。

1. ライアン・ギグス

生年月日:1973/11/29 (42歳)
国籍:ウェールズ
所属クラブ:現役引退

稲妻のようなスピードで左サイドを切り裂き、“ジャックナイフ”と呼ばれるほど切れ味鋭いドリブルを武器としていたギグス。しかし、スピードが衰えてきてからはボランチに主戦場を移し、左足のクロスやスルーパスに磨きをかけてパサーとしてプレーするようになった。相手を何人も抜き去るような突破は見られなくなったが、それでも経験に裏付けされた判断力と確かな技術でいぶし銀の働きを披露し、ユナイテッドで長くプレーした。

【次ページ】かつては天才と言われた男