サウジアラビアの強みとは?
ストライカーの話は一旦置いておいて、サウジアラビアの強みについて説明する。まあ、オマーンの記事で多少触れていることなので、大半が重複してしまうが。
ハリルジャパンと対決!オマーン代表はなぜ「仮想サウジ」なのか https://t.co/gH8RnruOCf
— Qoly(コリー) (@Qoly_Live) 2016年11月11日
チームで相対的に最もレベルが高いといえるのは、二列目である。ウインガーも含めた攻撃的MFの質は、近年で最も充実しており、多彩でもある。
中央のポジションを務めるのは、サウジの「司令塔」として長くプレーしているタイシル・アル・ジャーシム。世界的に大きな話題にならないまま113capに達する選手も珍しいが、国内では最高のトップ下といえる存在でありながらあまり派手ではないタイプだ。
オールラウンドにプレーすることが出来、パスも出せればシュートも打てる、両サイドに流れることもでき、下がっても効果的に働ける。類型としてはシンプルなアタッカーといえる。
ただ、より注意すべきはサイドだ。中心的に使われているのはナワフ・アル・アビド、ファハド・アル・ムワラッド、ヤハヤ・アル・シーフリの3名。そこに時々守備的なら本職ボランチのレフティであるアル・ファラージが入ったりするが、おおよそ前述の3名で回される。
ナワフ・アル・アビドは168cmという小柄な体格を持つアル・ヒラル謹製のレフティだ。強みは何と言っても切れ味あるドリブルでゴールに迫ってくるプレーと、キックの正確性である。
今回の予選ではPK職人としても才能を開花させており、その精神面でも成長著しいことを示した。なお、非公認であるが世界最速ゴールと言われるものを決めたことがある。
ファハド・アル・ムワラッドはテレビゲームのFIFAシリーズでもスピード10傑に入ることで有名な、『チーター』の愛称を持つアタッカーだ。
得点力が不安定なのでどうも本職のセンターフォワードでは微妙なのだが、サイドからの仕掛けは強烈である。先日のUAE戦で決めたシュートは素晴らしいの一言。
ヤハヤ・アル・シーフリはどちらかと言えばトップ下やセンターハーフに近いタイプであるが、このチームではサイドで起用されることが多い。
スピードに関しては前者の2名ほどではないが、左足のテクニックが非常に高い。キープ力とドリブルでの持ち込み、そしてキックの精度とパスセンスが最大の魅力で、「サウジのメッシ」と呼ばれたことも。