こんばんは、駒場野です。

……Qolyで何かいろいろと忘れていることがあるような気もしますが(苦笑)。

さて、12月16日に東京の本郷で、2つのサッカー関連ニュースがありました。一つは、毎年恒例のスルガ銀行杯開催発表。ただ、その次の発信地は三丁目の日本サッカー協会(JFA)ビルから七丁目に移動しました。東京大学の安田講堂で、東大とJFAの連携協定についての記者会見と調印式が行われたのです。

今回はこのニュースを、少し掘り下げてお伝えします。そして、今回は私の見込み違いも隠さず正直に(苦笑)。

協定の主導権は東大側に

この提携発表があった16日の未明、私はTwitterの個人アカウントでこれをつぶやきました。

本当にこれは意外だったのです。この式典は東大側からの情報で知り、どこのメディアにも出ていなかったので、半信半疑で本郷に向かっていました。

改めて見ると、東大の広報室が出したリリースの宛先は大学関係情報と文部科学省の記者クラブでした。一方、JFAから発表されたのは公式会見後。なので、社内で情報を共有できた大手メディアを除くと、サッカー関係の記者は誰もいませんでした……Qolyを除いて(笑)。

ただし、協定の内容についてはJFAのニュースの方が具体的に書かれています。

なので、五神真(ごのかみ・まこと)総長の記者会見コメントや式典でのスピーチも引きながら、東大側の事情を見てみましょう。

東大は5月19日、「東大スポーツ先端科学研究拠点」を設置し、翌20日に日本スポーツ振興センター(JSC)や日本障がい者スポーツ協会(JPSA)との間に連携協定を結んでいました。2020年五輪・パラリンピックに向けたトップ選手の強化と同時に、超高齢社会の中で必要な健康づくりや健康寿命の増進、バリアフリー化の促進などもスポーツの現場と共に目指し、「スポーツ・健康科学」だけでなくロボット工学などの「関連分野」も加わっています。

6月4日には東大の駒場キャンパスで同拠点開設の記念式典と記念シンポジウムが開催、この原稿を書いていた最中の12月21日には拠点の公式サイトが開設されました。

連携協定の記者会見でも、五神は 「よい社会の基本はまず人々の心身の健康」が重要と述べました。個別競技団体とは初の連携協定も、素地は既にできていたのです。

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