2013年に現役を引退した後は指導者の道へ進み、2014年7月、ハビエル・アギーレ監督のスタッフとして日本代表GKコーチに就任。ヴァヒド・ハリルホジッチ体制へ替わって以降も彼だけはチームに残り、川島永嗣や西川周作ら日本の守護神たちを指導。2016年7月の契約満了をもって退任している。
そんな彼が今回、新たな挑戦の場として選んだのがアーセナルSS市川だ。12日に千葉県市川市で行われた就任記者会見ではリカルド・ロペス氏がTD就任に関する抱負や経緯などを熱く語ったが、彼の就任についてはアーセナルSS市川の代表・幸野健一氏が語ったことが明快で非常に分かりやすかった。
「パッションがとにかく凄い」
契約を前にした昨年10月、実際に指導現場へ入ってもらったところ、リカルド・ロペス氏のパッション(情熱)に圧倒されたという。指導を受けた子供たちにも大きな効果がうかがえ、親たちが「契約してくれないと困る」と訴えたほどだったとか。
日本代表やJリーグから技術、戦術、あるいはフィジカル的な魅力を感じ取ることは決して難しくないが、パッションとなると果たしてどうだろうか。昨年大ブレイクした原口元気がプレーとともに評価されている点の一つでもあり、彼のようにピッチ上で自分のすべてを全力で表現していく選手が増えることは、日本サッカーが世界を打ち破っていく上でおそらく必要なことの一つである。
プレーヤーの“熱”を刺激する指導という面で日本は欧州や南米に比べてまだまだ弱い部分があり、その一助にリカルド・ロペス氏、アーセナルSS市川がなっていく可能性があると感じさせる今回の就任会見であった。
市川市ではアーセナルサッカースクール市川をベースとした「北市川スポーツクラブ」が誕生し、拠点となる北市川運動公園の整備も今年6月に完了する。
Jリーグクラブも羨むほどの施設に、UEFA PROライセンスを持つリカルド・ロペス氏がやってきた。…いろいろな意味で今後目が離せない地域の一つだ。
アーセナルSS市川は2017年度に向け、1月28日(土)にリカルド・ロペスTDが直接指導するU-15&U-18のGK練習会(セレクション)、1月31日(火)から2月3日(金)にかけてはU-15&U-18の練習会(セレクション)を実施する。詳しくはクラブの公式ホームページで。