『Il Sole 24 Ore』など各メディアは、「ミランの買収に動いていた中国系コンソーシアムのシノ・ユーロップが解散した」と報じた。
リー・ヨンホン氏という銀行系の実業家が中心となって形成されたシノ・ユーロップは、当初は10以上の投資家グループが参加するコンソーシアムであった。
しかしミランの買収に向けて契約を締結した後、中国国外への資金の持ち出しを政府が規制したことによって支払いが滞り、それによってますます投資家が蒸発していった。
結局ミランの株式を正式に買収するための予定は遅れに遅れ、3月に入ってからの延滞による供託金もまだ5分の1しか支払われていない。シノ・ユーロップには、もはや買収を行う体力がないと考えられた。
しかし今回、リー・ヨンホン氏はこのシノ・ユーロップ自体を解散することを決め、新たにロッソネーリ・スポーツ・ルクセンブルクという企業を設立し、母体を移すことになったという。
リー・ヨンホン氏は現在ロッソネーリ・スポーツの唯一の株主であるが、オフショア企業への融資という形で中国からの資金持ち出しを図るとのこと。
それにより、4月14日までに1億8000万ユーロ(およそ214.5億円)をフィニンヴェスト(ミランの持株会社)に支払い、買収を完了する予定だ。
これらについては、フィニンヴェスト側も事実であることを認めており、以下のように声明を発表している。
フィニンヴェスト
「深い分析が行われた結果、取引を成功させるために中国の外で新たな構造を完成させた。
シノ・ユーロップに代わる新しい企業は、リー・ヨンホン氏が管理するロッソネーリ・スポーツ・インヴェストメント・ルクセンブルクである」