かつて太田宏介もプレーしたフィテッセでキャプテンを務めるのは、ジョージア代表DFグラム・カシアだ。
30歳の彼は2010年からフィテッセに所属しており、これまで200試合以上に出場。また、ジョージア代表としても50キャップ以上を誇り、副キャプテンを任されている。
そんなカシアが国内で批判を浴びていると、地元『Tabula』が伝えている。
発端は先日のエールディビジで巻いたキャプテンマークだ。そのカラーリングは「LGBT」へのサポートを表すレインボーカラーになっていた。
この試みはフィテッセだけでなくオランダやスウェーデンのリーグ全体で取り組んだものだった。
だが、「国家の伝統を裏切る」振る舞いだとして、カシアはジョージア国内のSNSで批判を浴びた。代表から出て行け!という声さえあるという。
これに対して、代表のチームメイトたちからは擁護の声が挙がっている。
21歳のDFジェマル・タビーゼは「カシアが言いたかったのは、世界中のLGBTの人々に対する攻撃を非難することだった。この問題は特にジョージアでは深刻だと思う」などとコメント。
また、元ジョージア代表選手で首都トビリシの市長に選出されたばかりのカハ・カラーゼ氏も、こう言及した。
カハ・カラーゼ(トビリシ新市長)
「我々のリーダーシップのもとで、ジョージアでは差別禁止法が採択された。それは歓迎すべきことだ。
表現の自由は非常に重要だ。
我々は民主的な国であり、全ての市民には国籍、宗教、性的指向にかかわらず自らの意思を表明する権利がある」
一方で、ジョージア代表FWダト・スヒルトラーゼなどは「(LGBTコミュニティに)強く反対する」と公言している。
この問題については、アメリカの『Washington Post』でも伝えられていた。
それによれば、2011年にはジョージア国民のほぼ9割が、同性愛は正当化できないと考えているとの調査結果が出たという。
このような考えはヘイトクライムにもつながっており、昨年にはLGBTの人々に対する暴力行為が30件以上記録されているとのこと。