――さて、いよいよFWまできました!

このポジションでラストですか…。

毎度のことながら、この企画は本当に長丁場ですね(笑)でも、だいぶカットするんですよね?(笑)

――はい、残念ながら…

では、読者の皆さんに断りを入れておきます…。

「何でこの選手に関する話がないの?」と思うかもしれませんが、実はそれ以上に喋っていることをご理解ください!(笑)

――そこはきっちりカットせずに載せます(笑)では、改めてFW部門の選考をお願いします。

ここは小林悠(川崎フロンターレ)は確定ですね。

「J1得点王」に輝いた実績を考えれば当然ですが、そのゴール数だけではなく、チームの危機を救うゴールが多かった点も忘れてはいけません。「ここぞ」の場面での勝負強さも光ったシーズンでした。

シュートパターンも年々多彩になっていますし、様々な形でボールを呼び込めるので、相手DFからすると「一瞬のスキも与えられないストライカー」でしょう。逆にパサーにとっては「パスの出し応えがあるプレーヤー」ですね。

そして、二位には杉本健勇です。

言わずもがな今季は「覚醒」の年となりました。10代の頃からその将来性を嘱望されていましたが、ようやく、点取り屋として開花したという感じでしょうか。

その恵まれた体格に似合わず、足元の技術も高いので、これまでは引いてパス回しに参加したり、サイドに流れるプレーも多かったのですが、今季は良い意味でそういうプレーを捨てられた感じがします。シーズン22得点は、可能な限り「ゴールを奪うこと」に専念した結果なのではないでしょうか。

日本人FWって、欧州や南米の選手と比べると、綺麗な形になるまでシュートを選択しない選手が多いかと思います。

ですが、彼の場合は「前を向いたら打つ」という姿勢が感じられますし、守備陣に怖さを与える時間で言えば、Jリーグにおいてクリスティアーノと双璧ではないでしょうか。

そこに続くのは興梠慎三(浦和レッズ)ですね。

得点ランキング通りに並べるのは考えがないようで嫌ですが、20得点以上を残した彼ら3人まで選ぶしかないでしょう。

――その後は?

クリスティアーノ(柏レイソル)、ジェイ(北海道コンサドーレ札幌)にしました。

――ゴール数で言えば、14得点の川又堅碁(ジュビロ磐田)、12得点も金崎夢生(鹿島アントラーズ)も候補に挙がると思いますが。

そうですね。その二人の存在ももちろん忘れていません。

ですが、個人的には、彼ら二人よりも印象に残っているのが、クリスティアーノとジェイの両名になります。

クリスティアーノについては12得点という結果はもちろんのこと、レイソルにとっては単なるフィニッシャーだけに止まらないキーマンだったと思います。

まず、特筆すべきはそのシュート数です。今季は123本のシュートを放ったとのデータが出ていましたが、これは杉本の121本と共にJにおいて圧倒的な数でした。「シュートの割には得点数が…」という見方はあるのかもしれません。ですが、シュートを打つことで与えるプラスの効果を考える必要があります。

というのも、彼のようにシュートレンジが非常に広く積極的に打ってくるタイプは、守備側からすると常に警戒しないといけないわけで、他の選手へのマークや警戒度も自ずと弱まる傾向にあります。そこで活きてくるのが、前述の伊東純也だったり、武富孝介だったり、中川寛太だったり、周りの選手なんですよね。

それ以外にもピッチの端から端まで届くサイドチェンジだったり、オフザボール時の献身的な動きだったり、チームに与えた好影響は計り知れなかったと思います。

最後にジェイですが、彼は本当にビッグインパクトを与えてくれました。

シーズン後半戦から稼動して14試合で10得点ですからね。仮に全試合出場してたら24得点で得点王というペースです。

ゴールを奪う効率性も同様にハイスコアで、30本のシュートで10得点、つまり決定率は33.3%。プレースタイルが違うとは言え、小林悠が25.6%、杉本健勇が18.2%ですから、いかにその数字が凄いはすぐにわかるでしょう。

来季の去就が気になるところですが、彼が残留してシーズン序盤から動ければ、コンサドーレの順位も自ずと上がるでしょうね。

1位:小林悠(川崎フロンターレ)
2位:杉本健勇(セレッソ大阪)
3位:興梠慎三(浦和レッズ)
4位:クリスティアーノ(柏レイソル)
5位:ジェイ(北海道コンサドーレ札幌)