サッカー界でドイツの強豪として知られるレヴァークーゼン。彼らの親会社バイエルのグループ会社であるバイエル薬品が先日、日本でこんなシンポジウムを開催した。

「バイエル カラダのミカタ 高校生シンポジウム」は、次代を担う高校生や大学生が、夢や未来のキャリアプランを実現するため、より早期から女性のカラダや健康について正しく理解することが重要であると、同世代を含む周囲に発信。ともに考えるきっかけになることを目的としたシンポジウムだ。

2017年12月17日に開催された2回目のテーマは、「ここぞというときのために知っておきたい女性の体と健康のこと」。

受験や部活の試合など、最大限の実力を発揮するためのカラダづくりが取り上げられ、元なでしこジャパンの澤穂希さんもゲストとして講演した。

15歳から日本代表でプレーし、20年以上にわたって第一線で活躍。女子ワールドカップを制した2011年には、男女を通じてアジアの選手で初めてFIFA最優秀選手賞を受賞した澤さん。この日は長い現役生活で培った経験などを若い世代に伝えていた。

以下は講演後に行われた澤さんへのインタビュー。

――今回の企画は高校生や大学生といった学生が、企画から実行まで主導しました。こうした取り組み自体や、登壇した感想をお聞かせください。

日頃から、学生さんたちが、自ら考えて行動していることを、このように集まり共有することは、とても重要なことだと思います。お互いの経験を知ることで、見えてくることもあると思います。この取り組みは、とても素晴らしいと思います。今日は、私自身が経験したことを学生のみなさんに伝えられて嬉しかったです。今日に限らず、今後も、女性の健康に関心を持つみなさんが、率先してシンポジウムを開いて発信するような機会が増えることを期待します。

――常に世界の最前線で活躍してこられた澤さんですが、高いパフォーマンスを維持し続けるための秘訣とは?

サッカーに例えると、世界的にも有名なクリスティアーノ・ロナウド選手が同じチームに11人いても、試合に勝つことは難しいと思います。同じ特徴の選手が11人いても、勝てないということです。チームにはさまざまな個性や長所を持った選手たちが集まっています。各々の異なる特性を活かすことが、勝利につながります。私が常に考えているのは、自分の長所を知り、他人と比べないことです。すなわち、自分の色を磨くことが大事だと思います。

そして、何をするにも、まずは、毎日の食事がとても重要です。特に若い女性の中には無理な食事制限によるダイエットをする方もいらっしゃいますが、野菜、魚、肉、炭水化物などを毎日バランスよく摂ることで、ココロとカラダのバランスがうまく保たれて、自分自身を鍛えられます。

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