ハリルホジッチを解任すれば勝利の確率が1%でも上がる…という根拠が示されない時点で、田島会長の説明は議論のテーブルに乗せられないレベルのものだ。解任が一概に悪いとは言えないが、あの話しぶりでは本当に確固たる自信があって首を切ったのか?と疑いを持たざるを得ない。

「俺はやれることはやった」という言い訳の材料に解任したのではないか…と否が応でも感じさせられる。もしそうだとすれば、腹をくくれないトップを持つ組織は不幸だ、というだけだ。

そもそも相手の分析作業だけでも65日では足りないのではないか?現代のサッカーは異常にスピードが速くなっており、1つの新しい戦い方があったとしてもすぐに陳腐化される。特にポーランドやセネガルなどは大して予選と本大会で戦い方が変わらないチームなのだから、対策すればするほど有利になる相手だ。

ただ、1つポジティブな点があるとすれば、「誰も日本代表がどう戦ってくるか全くわからない」。奇襲を仕掛けやすい立場にあるとはいえる。逆にこれで普通にW杯をやられても、トリッキーな監督交代をした意味がない。

堂安を中心としたサッカーに変えるなどドラスティックな選択をし、少なくともアジアカップまでは指揮すべきである。そしてもし西野朗監督が2022年までやるのであれば、この2018年の経験が大きなものになる可能性はあるのだから…。

(編集部K)

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