『Independent』は19日、「サウジアラビアは、国内でワールドカップ64試合の映像を違法に放送する可能性がある」と報じた。
現在、中東ではカタールが複数の国から断交されている状況が続いている。
サウジアラビア、UAE、バーレーン、エジプト、イエメン、モルディブがカタールとの外交関係を断っており、今も解決には向かっていない。
しかし、2018年のワールドカップを中東向けに放映する権利を持っているのはカタールのメディアであるBeIN Sports。彼らは他にもプレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、FAカップなどの権利も持っている。
サウジアラビアは断交後BeIN Sportsの自国内での放送を禁止しており、既存の顧客の契約も停止させた。
ところが、そんなサウジアラビアで後に「beOutQ」というサービスが立ち上げられた。
これはなんとBeIN Sportsの映像に「beOutQ」のロゴを上書きして10秒遅れで放送するという「海賊版」なのだそう。サウジアラビア以外からは視聴することができないものであるとのこと。
そしてBeINが12万ポンド(およそ1800万円)を費やしてこの信号を追跡したところ、これはサウジアラビアの衛星アラブサットから放映されていることが判明したという。
これに関してBeIN側は「この規模の運営は数百万ドルの資金が必要であり、一般の組織が作っているものではない」と分析しており、サウジアラビア政府が関与している可能性が高いという。
「beOutQ」ではこの数カ月のイングランド・プレミアリーグやFAカップも海賊版として配信されている。BeIN Sportsとイングランド・サッカー協会は、協力の上で海賊版の配信を阻止するための動きを行うという。
しかし、サウジアラビアは公式にこのサービスとの関連を否定しており、FIFAもパートナーとして重要な相手を公式に非難は出来ない状況にあるとのことで…。
今後FIFAが設立しようとしている新クラブワールドカップやワールドネイションズリーグにも、サウジアラビアの投資家が関与していると言われている。
もちろんその投資は王家に近い者から行われると考えられており、FIFAは複雑な状況に立たされているようだ。