ペルー代表(編集部H)

1982年大会以来、実に36年ぶりの出場となったペルー代表。

大会前、ゲレーロのドーピング問題が大騒動となったものの、1年半近く無敗の代表に対する期待は高く、ロシアには世界中からペルー人が応援に駆け付け会場はホームさながらの雰囲気となった。

しかしこの異様なまでの熱狂が、結果として悪い形で表れることとなった。

デンマーク戦の前半、VARで得たPKをクエバを大きく打ち上げ失敗。彼は試合中にもかかわらず涙を流してしまったのだ。

そこまで内容は完璧に近かった。しかし大舞台での信じられない失敗は、熱狂的だったファンにも伝染する。スタジアムはみるみる悲観的な空気に包まれ、案の定、カウンターから一発で失点しこれが決勝点となった。

ペルーは続くフランス戦も0-1で惜敗し2連敗。最終戦ではオーストラリアに快勝したものの、時既に遅しで大会から姿を消すこととなった。

3試合を振り返ると彼らは今大会で最も濃度の高い試合をしたチームの一つ。もし、ほんのちょっとの運があれば、大会で上位に行く力はあったかもしれない。

しかし、36年ぶりの出場による“熱狂”とそれに伴う“気負い”が、彼らを敗退へと導く結果となってしまった。