「セッティング」をどう維持するか、どう変化させるか

結局イングランドはその後クロアチアに2点を許し、延長戦を経て敗北することになる。

最終的な敗因は「セッティング」が崩れたときにどうするか、という手段がなかったことだろう。

それはチームの根幹である2列目、リンガードとデル・アリと同じバランスでプレーできる3~4人目が不在で、オックスレイド=チェンバレンが怪我で使えなくなったことが響いていたともいえる。

あるいは、このクロアチア戦に限って言えば、あまりにも早い時間帯に先制点を決めすぎたという点も。もしあんな早くリードを得ていなければ、リンガードやデル・アリはあそこまで守備に気を使うことはなかったのではないか。

サッカーは選手がやるものであり、いくらルールで縛ってもメンタルが影響する部分は出てくる。

サウスゲイト監督は、机上では今回のワールドカップでもっとも「セッティング」した指揮官ではないか。ただ、やってくることが全て分かってしまえば、対処することは簡単である。

クロアチアのダリッチ監督も、この方法はすぐに思いついたはず。なにせシンプルだ。

戦術はすぐに分析される。現代のサッカーは、机上のセッティングだけではすぐに勝てなくなる…まるで教科書のような試合だったといえよう。

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