四年に一度行われる世界の祭典が閉幕した。
サッカーを愛する者はもちろんのこと、これまでそこまでサッカーという存在に関心を抱いていたいなかった者にとってもこの一カ月間は非日常的な時間が流れていたのではないだろうか。
周知のとおり、優勝国はフランスとなった。
グループリーグでは不安の残る戦いぶりを見せてしまったが、大会中に戦術スタイルや選手配置をチューニングし、試合を追うごとにチーム力を増強することに成功した結果の末であった。
だが、今大会における主役は何もフランス代表の面々だけではない。
「世界王者」という栄誉こそ手中に収められなかったが、圧倒的な存在感を見せた選手は数多く登場した。おそらく、あなたの胸の中にも独自の「マイベストイレブン」が存在するはずだ。
そこで今回は、大会を通じて印象的なパフォーマンスを発揮した11人(プラス次点)を筆者自らが行った「全試合採点」の統計も元に、独断と偏見で選出した。
GK部門
ティボー・クルトワ(ベルギー)
FIFAが選出する「最優秀ゴールキーパー賞」を受賞したが、ティボー・クルトワの存在は大会を通して際立っていた。
日本戦で立て続けに失点を喫した「魔の三分間」はマイナス材料ではあったが、その試合でもあの時間帯を除けば安定した働きを披露。後半アディショナルタイムの大逆転弾も、彼だからこそ可能なハイボールキャッチと冷静なスローが起点によるものだったことは改めて説明するまでもない。
続くブラジル戦でもサッカー王国の猛攻を凌ぐセービングを幾度となく披露し、2-1の勝利に貢献。準決勝のフランス戦ではサミュエル・ウンティティにヘディングゴールを許して、接戦の末に惜しくも破れたが、それ以上に決定機を抑えたパフォーマンスを評価するべきだろう。
そして、次点は最後尾からチームを優勝に導いただけではなく、主将という大役も全うしたフランスのウーゴ・ロリスとした。
決勝戦では本人も映像を見返すことを避けたくなるような失態からマリオ・マンジュキッチにゴールを奪われ、ベスト16でも複数失点を喫するなど、たしかにパフォーマンス自体には波があった。
しかし、彼の存在は「シュートを防ぐ」というシーン以外でもチームに大きく貢献していたことは間違いないだろう。