怪我人が相次ぎ、シフトチェンジを敢行

今季も複数のシステムを使い分けてきた名波監督だが、怪我人の続出に頭を悩ませた。

3月にアダイウトンとムサエフがそれぞれ全治半年の大怪我を負ったのに始まり、司令塔の中村俊輔と期待の若手FW小川航基も戦線を離脱。更には、左ストッパーとして定位置を確保した新里亮も8月1日のガンバ大阪戦で今季絶望の怪我を負ってしまったのだ。

いずれも戦力ダウンとなったが、特にダメージが大きかったのはアダイウトンの離脱だ。

アダイウトン

馬力のあるドリブル突破が売りの背番号15は、ロングカウンターでそのストロングポイントを存分に発揮。独力で局面を打開し、守備でも献身的に振る舞える稀有な存在だった。

このブラジリアンを欠いた後は、新加入のギレルメが攻撃のアクセントとなった。加入当初は周囲と噛み合わなかったが、徐々に適応するとドリブル突破で違いを生み出していた。

しかし、5月2日の横浜F・マリノス戦で暴力行為を働き、同15日に契約解除。アダイウトンに続き、ドリブラーを失ってしまったのである。

これによりロングカウンターの破壊力が失われたチームは、コンビネーションを高めてチャンスを作る方向性にシフトしていく。中村が継続的にピッチに立てなかったとはいえ、田口泰士、松浦拓弥、山田大記、上原力也らテクニックに秀でたMFが揃っており、その下地は十分にあった。

これはあくまでも推測だが、指揮官が新システム(3-5-1-1)にトライしたのも、よりポゼッションを高める目的があったのではないか。

アンカーの前に2枚のインサイドハーフを置くことでトライアングルを作りやすくなり、ボール回しが円滑になる。そして、3-4-2-1では孤立する場面も多かった川又の下にサポート役を配することで、エースの負担を軽減する狙いがあったはずだ。