その勉強会を1年弱くらいやっていたのですが、その頃、2014年11月に岡田さんがFC今治のオーナーになるという話が出てきて。

その後、実際にオーナーに就任することが発表されました。すると、「岡田さんが掲げた夢を何としてでも応援しよう」とデロイトがトップパートナーとして支援するという話になったんです。

岡田さんが今治という地域でチームをほとんどゼロからスタートするということで、デロイトのコンサルタントを1年間常駐させ、FC今治のリスタートを支えるということになり、志願した私がそこに行くことになったんです。

初めて今治に来た日のことは今でも鮮明に覚えています。

ひょっとしたらみなさんも感じられたかもしれないですが、今治駅に降りた時に「何にもない」。不安のなか岡田さんのいる事務所までタクシーで向かう道中、誰一人として歩いてない。本当に数えたらゼロだったんです。

車は通るけど誰も歩いてない。正直、私はそれまでそんな街を歩いたことがなくて、「本当にここで岡田さんやるの?大丈夫?」と。

ほんと地方都市のイメージのど真ん中の町に来たなあと思いながら、事務所にお邪魔してみなさんにご挨拶し、そこから1年2か月、コンサルタントとしてお手伝いしました。

すると、一緒に仕事をするなかで岡田さん以外のスタッフ、ファン、この土地のこともすごく好きになりました。インスパイアされるものもたくさんあって、約1年のコンサルティング契約が終了した後にとりあえず東京に戻ったのですが、転職したいという想いに嘘はつけない自分がいることを改めて自覚しました。

そのまま岡田さんに連絡すると偶然近くにいらっしゃり、今からニューオータニのホテルのロビーでなら会えるとお返事を頂きました。そこで改めてビジョンに共感していることや「10年後、みなさんと一緒にJ1へ行きたい」という想いをお伝えしました。

でも最初岡田さんには「俺を悪者にするのか、お前は」と言われて(笑)。まあスポンサーさんから金銭的にも、そして人的にも支援して頂いて、最後にその人が転職したいと言い出したのだからそう思われても仕方ありませんよね。でも「岡田さん、すみません。」「そうか、お前がそこまで言うならしゃーねーな」という話で受け入れてくださいました。